私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

今更のクイーン(Queen)

2020年08月14日 | オーディオ
昨年、イギリスのロックバンド“Queen”が映画『ボヘミアン・ラプソディ』と共に話題になりましたね。
その頃に放送されたTV番組を録画してあったので、ほとぼりの冷めつつある今、見てみました(天邪鬼!)。

イギリスのロックバンドといえば、レッド・ツェッペリン、ローリングストーンズ、ディープ・パープルあたりが有名どころです。
クイーンはちょっと毛並みが違う印象。
解説によると、
「ツェッペリンやローリングストーンズはマッチョなイメージで男子に人気があった、クイーンは初めて女子にも人気の出たロックバンド」
「クイーンのメンバーはやんちゃな不良少年達ではなく、エリートでお坊ちゃま」
だそうです。

1980年代にクイーンのツアーに参加経験のあるピアニストのモーガン・フィッシャー(★)は、
「ブライアン・メイのソロは20分続いてもアドリブがない、毎回全く同じなんだ」
と半分あきれたように告白。
ノリノリで盛り上がりアドリブ三昧、
というステージではなく、
用意周到、カッチリ完成された楽曲、
なのですね。

緻密・繊細というところでは、やなりイギリスのロックバンド“YES”と通じるところがあるかもしれません。

まあ、エネルギーが枯渇しつつあるアラ還の私にとっては、どのバンドもうるさく聞こえてあまり興味はありませんが・・・
あ、ファンの方、すみません(^^;)。

★ モーガン・フィッシャーは以前から知ってました。ただし、クイーン繋がりではなく、シンセサーザーによるヒーリングミュージック『都市生活者のための音楽』のアーティストとしてですが。

 ベストヒットUSA、クイーン1時間スペシャル!!
 映画『ボヘミアン・ラプソディ』が空前の大ヒット!クイーンは時代を選ばず、なぜ愛されるのか?
 洋楽を最前線で紹介し、多大な影響を与えた雑誌『ミュージック・ライフ』の元編集長であり、その先見の明からクイーンを追い続け、日本に紹介した東郷かおる子さん。
 クイーンの来日は全て撮影、ライヴアルバムのジャケット写真をも撮影したカメラマン、長谷部宏さん。
 モット・ザ・フープルのメンバーで、クイーンが初めてサポートメンバーとして迎え、1982年のヨーロッパツアーに同行したキーボーディスト、モーガン・フィッシャーさん。
 記者として、カメラマンとして、サポートメンバーとして、様々な立ち位置でクイーンに直接会ってきたゲスト3名を迎え、彼らにしか知り得ない本当のクイーンの姿をたっぷりと語って頂きます!

鈴木康博、オフコース解散の秘話を明かす。

2020年08月05日 | オーディオ
オフコースファン、それも小田と鈴木の2人時代(昭和)からのコアなファンが知りたい情報です。

先日、昔のフォーク&ポップスを懐かしむBS番組で、
元オフコースの鈴木康博さんがゲスト出演しているのを視聴しました。
若い司会の女性(小林星蘭)が、事情を知っている人が聞けない質問をボンボン放ちます。



「オフコースはなぜ解散したんですか?」
(一瞬、その場がし〜んと静まりかえる)
“さよなら”という曲がヒットしてから、オフコース=小田和正の声というイメージができあがり、曲作りができなくなった
とバンド内に居場所がなくなり、
別の場所で活動しなければいけないと思った
との決心を解散の3年ほど前から小田さん伝えていたことを明かしました。

なるほど。

さらに女性司会者は続けます;

再結成の予定はないんですか?」
(再びし〜んと静まりかえる)
ずいぶん時間が経ってしまったから・・・
と言葉を濁す鈴木さん。
そこに番組のレギュラーメンバーであるイルカ(元同じ事務所所属)が、
「まだオフコースが売れない頃、事務所で2人でギターを弾いて練習していた光景が忘れられない。あのときの雰囲気でもう一度オフコースを聞きたいな。」
と助け船を出しました。

鈴木さんが静かに頷いてその場は終わり。

オフコースの2人(鈴木&小田)の出会いは、
なんと小学生時代にまで遡るそうです。

2人の小学校は別でした。
たまたま同乗していた電車で「トンネルに入ると警笛を鳴らす」というイタズラをしていた小田に、
鈴木が近づいて便乗して一緒にイタズラをしたエピソードに始まります。
気がついたら同じ中学校に通うことになり意気投合、
その後、クリスマス会のイベントの準備で鈴木はギターを弾くようになり、
小田もそれに続き、
2人は音楽に目覚め、その後一緒にやるようになった・・・
途中でいきなり「オレ、ピアノを弾く」と小田が言い出してキーボードもやるようになったけど、最初は下手でミスしまくった・・・。

意外にも、2人の絆は音楽がはじまりじゃなかったんですねえ。

よみがえれ!!あなたの青春フォーク&ポップス!パート2 3時間スペシャル



<番組紹介>
J-POP 礎を築いた名曲の数々をお届けしたスペシャル番組の第2弾!
音楽界のご意見番「小室等&イルカ」と共にゲストの音楽人生・音楽界の真実を掘り下げます!
日本のミュージックシーンの礎を築いた豪華なアーティスト達が大集合!
時代を超えて愛され、世代を越えて歌われ続けるフォーク&ポップス名曲の数々を豪華スタジオライブと、もう二度とみられない!?伝説となった貴重なライブ映像で3時間にわたりお届けします! 今だから聞ける「誰もが口ずさんだあの名曲誕生の意外なきっかけ」「伝説の超人気グループ十代の出会いから別れ」「歌謡界の歌姫を支えたフォークの名曲」など貴重な裏話が続々明かされます!スペシャルゲスト・八代亜紀 が70年代フォークをカバー!この番組でしか見られない音楽界のレジェンド達による一夜限りのスペシャルコラボも必見!あなたの青春がよみがえります!!

マイルス・デイビス、“青”の時代

2020年08月02日 | オーディオ
マイルス・デイビスはジャズファンである私のアイドルです。
マイルス以前のジャズは、スイングや Be-Bop など、高速のアドリブで盛り上がる傾向がありました。

マイルスはそこに一石を投じ、
抑制されコントロールされた音による美(というかカッコ良さ)を求めたのです。
“秘すれば花”という日本美の精神に通じるのかもしれません。

さて、録りためてあったTV録画から、
『巨匠たちの青の時代 マイルス・デイビス 帝王への扉を開けたサウンド』
(NHK-BS、2017.6.19)
を視聴しました。



巨匠達の“青”の時代を扱うシリーズの一つとして制作され、
地元のジャズ・バンドではスターだった彼が、
チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーの演奏に衝撃を受け、
親にウソをついてまでニューヨークに進出し、
自分の音、スタイルを身につけていく過程をクローズアップした内容です。

それまでの譜面通りに演奏するスイング・ジャズから、
時代は短いテーマをアドリブで展開し、ソロをつないでいく Be-Bop へ変化していました。

当時大人気の天才的トランペッター、ディジーの演奏に憧れたマイルス。
トランペットで高速&高音を吹き続けることはプロでも難度が高く、
ディジーにしかできないテクニックでした。
多くの肺活量と、唇をすぼめ続ける筋力が必要なのだそうです。

「ディジーにはなれない・・・」

体が小さく唇の筋力も弱いマイルスには無理であることをある日、悟りました。
そして自分の音、演奏スタイルを目指すよう、方向転換したのでした。

マイルスは友人でもあるフレディ・ウェブスターの“間”を活かした演奏に惹かれました。
ゆったりしたテンポと強弱、そして“間”。
高速の Be-Bop とは異なる方向性。
彼はフレディの演奏をまねし、取り入れ、唯一無二のサウンドのキッカケにしました。
★ フレディは若くして亡くなりました。

それが最初に花開いたのがパーカー名義の「ナウズ・ザ・タイム」(超名盤!)。
そこで初めてのミュートプレイも録音されました。
これは高音の出ないマイルスを見て、パーカーが勧めたそうです。

★ 伝説的なジャズ評論家のアイラ・ギトラー氏や名盤「カインド・オブ・ブルー」のドラマー、ジミー・コブ氏が“生きて”出演していることに驚きました。

鈴木常吉氏、逝去(2020.7.6)

2020年07月30日 | オーディオ
私、「深夜食堂」のファンです。
マンガから入りました。
のちに小林薫氏(こちらもファンです)が主役でドラマ化されたことを知り、
ドラマを見たりDVDを購入したり・・・。

ドラマで印象的なのは、なんと言っても主題歌。
そう、鈴木常吉氏が歌う「思ひで」です。



東京の夜景、それも高層階からの眺望ではなく、
ネオンがまぶしく、車に行き来が絶えない夜の街並みを
地上目線で捉えるカメラワーク、
そこに切ないギターとつぶやくような常吉氏の歌が流れると・・・
途端に夜の街並みが美しく輝き出すのです。

鈴木常吉さん死去「深夜食堂」歌う 65歳食道がん
ミュージシャンの鈴木常吉さんが今月6日に食道がんで亡くなっていたことが27日、分かった。65歳だった。 鈴木さんのスタッフがツイッターで明らかにした。すでに家族葬が執り行われたという。 同ツイッターでは「【報告】」とし、「かねてより食道がんの病気療養中でした鈴木常吉は令和2年7月6日に自宅より天国に旅立ちました」と死去を伝えた。「あまりに突然だったことと、社会状況が大変だったこともあり、お知らせが遅れましたこと心よりお詫び申し上げます。家族葬を滞りなく相済ませ、鈴木も今はSTAY HOMEいたしております」と報告した。 また「生前様々な方より賜りましたご厚誼、また音楽を愛して下さった皆様へ厚く御礼申し上げます」と感謝し、「snsでのご報告になりましたこと、お赦し下さいませ」とつづった。 鈴木さんは1954年、東京都生まれ。80年代に「セメントミキサーズ」のボーカル兼ギターとして、TBS系「イカすバンド天国」に出場した。90年に「笑う身体」でデビューし、06年リリースの初ソロ作品「ぜいご」に収録された楽曲「思ひ出」がTBS系ドラマ「深夜食堂」のオープニング曲に採用された。俳優としても活動し、オダギリジョー主演の映画「オーバー・フェンス」(16年)、柳楽優弥主演の「夜明け」(19年)になどに出演した。

そして小林薫演じる素人とは思えない風体の影のある料理人が仕切る「めしや」には、
社会からはじかれがちな、しょうもない大人達がたむろする。

最近、「庶民」を扱うドキュメンタリーが増えてきたような気がします。
NHKでいえば、
「ドキュメント72時間」
「ファミリーヒストリー」
等々。

歴史に名を残す有名人ではなく、
名もなき民間人が居場所を求めながら時代を生き抜いていく様を掘り起こすスタンス。
私が好きな「民俗学」に通じる内容です。

こちらに本人歌唱の動画がありました。

さすらいのバイオリン〜流浪の民・ロマの道

2019年09月07日 | ワールド
さすらいのバイオリン〜流浪の民・ロマの道
BSプレミアム 2019.9.4放送

 バイオリニストの古澤氏はクラシック畑出身です。
 しかし、米国に留学時代、「楽譜なしで自分の音楽を奏でなさい」というテーマをもらったとき、楽譜なしでは何も弾けない自分に愕然とし、しばらくバイオリンを手にすらできない状況に陥ったことがありました。
 そのときに友人から借りたカセットテープにショックを受けました。
 変幻自在に弾きまくるジプシーバイオリン。
 あ、現在はジプシーをロマと呼ぶようになりましたね。

 それをきっかけに、古澤氏はクラシックバイオリンを捨て、自分の音と音楽を探す求道者となったのでした。

 この番組は、その古澤氏の一つのルーツでもあるロマの音楽を辿る内容です。
 インド北部が起源とされる放浪の民、ロマ。
 その移動経路に、いろんな音楽を花咲かせました。
 トルコのベリーダンス、中東の軍楽、果てはスペインのフラメンコまで影響を受けていると聞いて驚きました。

 しかし、放浪民族のロマは、迫害されてきた闇の歴史も抱えています。
 古今東西、旅芸人は“神の使い”と尊敬される一方で、芸で日銭を稼ぐ最下層の民と軽蔑のまなざしでも見られてきました。

 第二次世界大戦中、ヒトラーがユダヤ人迫害をしたことは有名ですが、ロマも迫害対象とされたことはあまり知られていません。
 大戦が終わってみれば、約50万人のロマが殺害されたことが判明しました。
 しかし、ユダヤ人と異なり、組織を持たない流浪の民は、戦後補償を受けられずに現在に至っています。

 東欧のロマは、社会主義時代に不遇の生活を強いられました。
 旅をすることを禁止され、定住して地元民族と融合することを求められたのです。

 番組の中で、ロマの演奏者を追うのですが、皆、客の希望に応じてその地方の音楽を奏でるばかり。
 生き残るには“職業音楽家”にならざるを得なかったのですね。
 はて、ロマ固有の音楽は何処に行けば聴けるんだろう?

 少数ながら、今でも馬車で移動する生活を続けるロマがいます。
 その古老は、社会主義支配下の時代を「つらい時代だった」と振り返りました。
 旅をできないロマはロマではない、と言わんばかり。
 「我々は旅が好きなんだよ」
 という古老の言葉は、日本人が「旅が好きです」というのと、深さが天地ほど異なると感じました。

 その一族の女性が歌うロマ伝統の歌は、明るい曲ではなく、かといって暗い曲でもなく、淡々と日々の出来事を言葉にする内容。
 そこに古澤氏は長い歴史の中で受けた悲しみと、生き残るために培った強さを感じ取りました。

 と古澤氏は放浪します。

 ようやくたどり着いた村は、集落に住む300人のうち半分が楽士という音楽村。
 その楽士バンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」は日本で演奏旅行をしたこともあります。
 彼らは有名になって世界演奏旅行をするようになっても村を捨てず、住み続けています。
 そして彼らは、彼らの伝統音楽を奏でる楽団なのです。
 
 求める音楽に出会えた古澤氏は、彼らと共演を果たしたのでした。



<内容紹介>
ハイビジョンスペシャル はるかなる音楽の道 さすらいのバイオリン~流浪の民・ロマの道~(初回放送:2002年)
何百年もの間、旅を続ける民族・ロマの人々には独特の音楽がある。ヨーロッパ各地の音楽にも影響を与えたという彼らの音楽は、楽譜にとらわれない自由な奏法が特徴。旅する日々の中からどのように音楽が生まれたのか…バイオリニストの古澤巌がロマの人々と暮らしながら回った東欧の旅の記録。


★ 古澤巌さんは、栃木県足利市にあるココファームワイナリーの取締役でもあります。
 「障害者が働くワイナリーの取締役はバイオリニスト