私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

「オフコース」

2009年10月15日 |  My Favorite Artist
今をときめく実年シンガーソングライターの小田和正さんが在籍したバンドです。
活動は1969~1989年、当初はその時代らしく小田さんと鈴木さんのデュオによるフォークグループで出発しました。

私が初めて聴いたのは、最初のメジャー・ヒットとなった「さよなら」。
この時は清水仁(ベース)、大間ジロー(ドラムス)、松尾一彦(ギター、ハーモニカ)の3人が加わったバンド編成となっていました。ベテラン作詞家・作曲家が作った歌謡曲とはひと味異なる、新鮮な音に満ちたニューミュージックと呼ばれた頃。まあ、フォークを歌っていたシンガー達が売れ線をねらったと穿った見方をすることもできますが。
当時私は高校2年でした。大学受験が目の前にちらつき、つき合っている女の子との将来はどうなるんだろう、と思春期の不安な心理にこの曲がピッタリはまったのです。

大学生となり、オフコース・フリークの友人がいました。
頼みもしないのに、全アルバムをカセットテープに録音してプレゼントしてくれました(実は中島みゆきや森田童子も彼が教えてくれました)。
「僕の贈り物」などの初期の曲はなんだか歌詞が軟弱でなじめない。
でも、その後の「孤独な男のワガママな世界」を歌った曲達には魅せられました。
小田さんと鈴木さんの美しいハーモニーも心地よい。
お気に入りの曲は「ワインの匂い」「秋の気配」「別れの情景」「去っていった友へ」などなど。
「ワインの匂い」のレコード・ジャケットにはベルボトム・ジーンズの若き小田・鈴木両氏が写真に収まっています。
今聴くと、昭和の香りがして懐かしい。

オフコースの一つのピークは「OVER」というアルバムです。
「YES, YES, YES」や「悲しいくらい」「生まれてくる子ども達のために」など美しい曲がちりばめられた傑作。
その頃は小田さんと鈴木さんの不仲説が流れたり、イヤな雰囲気が漂っていました。
曲のバックコーラスに「We're over・・・」というフレーズが聞こえ、「ああ、もうオフコースは終わりなんだなあ」としみじみ思ったものです。

このアルバムの作成風景をNHKが取材し番組にしたものがありました。
驚いたのは曲の作り方。
歌詞より曲が先なのです。
曲が完成に近づくと、それに合う詩を乗せていくという手法。
「こんなのありなんだあ」と当時不思議に思ったものでした。

オフコース解散後、メジャーで生き残っているのは小田さんだけ。
60歳を過ぎても声が衰えないのは驚異!
昨年、「クリスマスの約束」をTVで見て、健在振りに安心しました。
透明な声と愛をシンプルに歌った詩で、若いファンが増えているのですね。素晴らしい。