私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

音楽家・河村隆一

2010年09月05日 | コンサート
ひょんなことからLUNA SEAの河村隆一さんのコンサート・チケットが手に入り、行って参りました。
場所は「葛飾シンフォニーヒルズ・モーツァルトホール」(東京です)。
テーマは「No Mic, No Speakers Concert」。

まず、「マイクを使わない」設定に驚きました。
線が細くて高音がキレイなタイプの河村さんが生の声だけで勝負するコンサートを開くなんて。
会場に着くと、席を埋めた聴衆は20~30代の女性を中心に、男性客も多く、おじいさん・おばあさんの姿も見かけました。
「アイドル追っかけギャル」が埋め尽くすと予想していた私にはちょっと意外。

さて、コンサートを聴いて感じたこと。

■ 楽器との相性
バックがクラシックの室内楽(ヴァイオリン2器、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ)とギター2本という構成。
最初は「ポップスを歌う彼はギターのみでもいいんじゃないか」と思いましたが、聴いているうちに、絹のように伸びる高音は弦楽器に合っているんだな、と頷きました。

■ 声量がない
針金のように細い足と華奢な体の河村さん。
高音は美しいのですが、残念ながらシャウトしても豊かな響きは広がりません。
バックは室内楽が限度で、オーケストラは無理でしょう(かき消されてしまう)。
ゲスト出演した女性ボーカルの方が豊かな声を響かせ、逆に河村さんの声量がないことを証明する皮肉な結果となっていました。

■ 裏声を多用する歌唱法
昔からあの歌い方には違和感があり、正直好きではありません。
古くは坂本九さんも裏声を多用しましたが、彼の歌い方は母親の三味線の影響と聞いたことがあります。
元ちとせさんの分野である「奄美島唄」も裏声を多用しますね。もしかしたら、日本伝統の歌唱法のひとつなのかな。

■ 観客の反応
河村さんオリジナルの曲よりも、マイウェイ、タイム・トゥ・セイ・グッバイなどスタンダードに対しての拍手の方が大きかったことが不思議でした。
皆、アイドルの河村さんではなく、自分の音楽世界を広げようとするチャレンジャーとしての河村さんを聴きに来ていたのですね。観客層が若者だけでないことが理解できました。


総じて、音楽の求道者としての河村さんの姿が垣間見えました。
一見、番外編に見えた企画が、彼の懐の深さに感じ入るコンサートとして記憶に残りました。
そしてそれを支持するファンがたくさんいることも知りました。
今後もポピュラー音楽界に生き残る逸材だと思います。

Wikipediaでは、彼の職業は「ミュージシャン・歌手・俳優・音楽プロデューサー・小説家・レーサー」となってますね。
多彩な才能を開花させているご様子。

ただ、個人的には、役者はやめてほしい。
「ピカレスク」の演技はいただけません。
コンサートで話題になった「ドラキュラ」ならいいけど(笑)。