私の音楽 & オーディオ遍歴

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カラス vs. テバルディ

2015年08月13日 | クラシック
 オペラ歌手と言えばまず頭に浮かぶ名前が「マリア・カラス」。
 オペラをあまり知らない私の口から出るほど有名です。
 しかし、1950年代のイタリア、アメリカ、フランスではマリア・カラスの独壇場ではなく、レナータ・テバルディと人気を二分していたのでした。
 二人の印象は対照的で、トラのカラスに対してハトのテバルディ、カラスはいつも悪役で、対立を続けた二人が最後に和解した時の新聞の見出しは「悪魔と天使が和解した」というものでした。

 カラスはどんな音域でも大きく正確な声を出すことが可能で、評論家に「彼女の声はもはや楽器だ」と言わしめるほど。
 一方のテバルディはやさしくソフトな声の持ち主で皆に愛されました。
 また、カラスは情感豊かな演技ができたので、自ら「歌える女優」と評したのに対し、テバルディは純粋なソプラノ歌手でした。

 この二人がしのぎを削って競い合ったことが、凋落気味だったオペラ界に活気を与えたことは間違いありません。
 カラスの方が悲劇的かつドラマティックな人生を生き、スキャンダルにまみれてマスコミを騒がせたので、インパクトの強さゆえ名前が残っているのでしょうか?

■ マリア・カラス vs. レナータ・テバルディ
2015.6.11:NHK-BS
 新たな時代を切り開いた宿命のライバルを描くシリーズ。第3回はオペラ界の人気を二分したソプラノ歌手、マリア・カラスとレナータ・テバルディ。女性たちの確執を描く。
 1950年代から60年代にかけてニューヨーク、イタリア、フランスで活躍した2人のディーバ。優等生のレナータ・テバルディは稽古を優先してプライベートを楽しむことをせず、ステージママの母に依存していた。一方、母親との確執を抱えるカラスは、派手な交際と独身を貫き、舞台では「歌手なのか女優なのか」と騒がれる。生き方も演技も全く異なる2人の関係を、メディアがドラマチックに煽り立てた。

 原題:Face to Face Callas vs. Tebaldi: The Tigress and the Dove
 制作:Ma Drogue a Moi (フランス 2014年)


<マリア・カラス>
□ 「マリア・カラス・アリア集
□ 「マリア・カラス東京ライブ1974
□ 「マリア・カラス 伝説~その光と影~
□ 「ヴェルディ《椿姫》第1幕全曲 マリア・カラス (1955)

<レナータ・テバルディ>
□ 「レナータ・テバルディ
□ 「プッチーニ 《トスカ》「歌に生き、恋に生き」レナータ・テバルディ
□ 「プッチーニ《ラ・ボエーム》第1幕全曲 セラフィン指揮/テバルディ
□ 「プッチーニ 《蝶々夫人》 第1幕全曲 テバルディ/セラフィン指揮

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