発達障がい・こころのやまい

専門外ながら相談を受けることがあり、その際に読んだ本や集めた情報を書き留めました(本棚9)。

ブログ閉鎖のお知らせ → 撤回します

2018-02-23 07:44:36 | 日記
 自分自身への備忘録として始めたブログですが、「ネット上の記事を引用して感想を記す」というスタイルは著作権法違反になるとのご指摘を受けました。
 引用元を明記すればよいのでは(宣伝にもなるし)との考えは、私の勝手な思い込みだったようです。

 2018年3月に閉鎖する予定です。
 ご愛読ありがとうございました。

<追記> 2018.6.2
 ブログ内容を修正して「gooブロク」に問うたところ、すんなり受け入れられました。
 ハッキリはわかりませんが、引用のみで自分の意見が書かれていないとマズいようですね。
 よって、当ブログを再開します。
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抗うつ剤の比較検討、効果に最大2倍差

2018-02-23 06:07:11 | 精神科医療
 「うつ病」に対する「抗うつ薬」の効果の比較検討を、Lancet の論文から。
 日本で未認可の薬から、古典的な三環系抗うつ薬の名前も出てきます。
 患者さんの訴えにより、薬剤の特徴を考慮して使い分けるのが基本とは思われますが、大まかなイメージを捉えるには参考になります。

■ 抗うつ剤、効果に最大2倍差 国際チームが21種を比較
2018年02月22日:朝日新聞社
 国内外で使われている抗うつ剤を比較すると、効果に最大2倍の開きがあることが日英などの国際チームの研究で分かった。8種類の薬は特に効果が強く、6種類は副作用が比較的起こりにくいという。治療の際、薬を選びやすくなるという。22日、英医学誌ランセットに発表した。
 京都大の古川壽亮教授(臨床疫学)や英オックスフォード大などの研究グループは、主要な21種類の抗うつ剤について、2016年までに世界で行われた効き目に関する比較臨床試験のうち、科学的信頼度が高いと判断した522試験(非公表を含む)の結果を分析した。不眠や食欲がないといった項目の標準の尺度に照らし、症状が改善した患者数によって効き目を、副作用などで薬の服用を中止した割合に基づいて飲み続けやすさを調べた。
 その結果、効き目が最も高かったのがボルチオキセチン(国内は臨床試験中)で、最も低かった薬に比べて約2倍効果が高かった。この薬は飲み続けやすさも最も高かった。日本で承認販売されている薬でみると、エスシタロプラム、ミルタザピンなどが効果と飲み続けやすさがともに比較的上位で、バランスが良かった。トラゾドンは両方とも低かった。
 ただ、今回の研究で示されたのは平均的な効果や飲みやすさ。患者によって症状や効き方、副作用の出方は異なる。薬によって費用も差がある。古川さんは「どんな症状ならどの薬を飲めばよいか研究を進めたい」と話す。
 厚生労働省の14年の調査では、国内では推計112万人がうつ病などの気分障害で通院・入院している。(西川迅)

■抗うつ剤の効果と飲みやすさの順位■
(1)ボルチオキセチン(1) *日本は臨床試験中
(2)エスシタロプラム(レクサプロ®)(3)
(3)ブプロピオン(9)
(4)ミルタザピン(リフレックス®、レメロン®)(8)
(5)アミトリプチリン(トリプタノール®)(13)
(6)アゴメラチン(2)
(7)パロキセチン(パキシル®)(7)
(8)ベンラファキシン(イフェクサー®)(11)
(9)デュロキセチン(サインバルタ®)(16)
(10)ミルナシプラン(トレドミン®)(10)
(11)セルトラリン(ジェイゾロフト®)(5)
(12)ネファゾドン(12)
(13)シタロプラム(4)
(14)クロミプラミン(アナフラニール®)(17)
(15)フルボキサミン(デプロメール®、ルボックス®)(14)
(16)フルオキセチン(6)
(17)トラゾドン(レスリン®、デジレル®)(15)
(18)レボキセチン(18)

※ 効果などに差が出た18種類。()内は商品名。後ろの数字は飲み続けやすさの順位。京大などの国際チームによる。
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小児および青年期の重度な精神疾患発症率と薬理学的治療

2018-02-22 06:48:30 | 精神科医療
 社会不安障害(≒対人恐怖)の治療は大切です。
 これがよくならないと、社会生活ができなくなります。

 小児〜青年期の精神疾患薬物治療のノルウェーの現状報告を紹介します;

■ 小児および青年期の重度な精神疾患発症率と薬理学的治療
ケアネット:2018/02/22
 小児および青年に対する抗精神病薬の使用は増加しており、適応外の使用および副作用についての関心が高まっている。ノルウェー・Oslo University HospitalのRagnar Nesvag氏らは、ノルウェーの小児および青年における重度の精神疾患の発症率、精神医学的合併症および薬理学的治療について調査を行った。European psychiatry誌オンライン版2018年1月20日号の報告。
 2009~11年のノルウェー患者レジストリより、初めて統合失調症様疾患(ICD10コード:F20~F29)、双極性障害(同F30~31)、精神症状を伴う重度のうつ病エピソード(同F32.3/33.3)と診断された患者(0~18歳)の精神疾患に関するデータを抽出した。向精神薬の調剤データは、ノルウェー処方データベースより抽出した。
 主な結果は以下のとおり。

・2009~11年に初めて重度の精神疾患と診断された小児および青年は884例(10万人当たり25.1人)であった。その内訳は、統合失調症様疾患(10万人当たり12.6人)、双極性障害(10万人当たり9.2人)、精神症状を伴う重度のうつ病エピソード(10万人当たり3.3人)であった。
・最も一般的な精神医学的合併症は、抑うつ(38.1%)、不安症(31.2%)であった。
・抗精神病薬が処方されていた患者は62.4%であった。疾患別にみると、統合失調症様疾患患者(72.0%)、双極性障害患者(51.7%)、精神病性うつ病患者(55.4%)であった。
・最も処方されていた薬剤は、クエチアピン(29.5%)であり、次いでアリピプラゾール(19.6%)、オランザピン(17.3%)、リスペリドン(16.6%)であった。

★ 抗精神病薬の一般名と商品名;
クエチアピン:セロクエル®
アリピプラゾール:エビリファイ®
オランザピン:ジプレキサ®
リスペリドン:リスパダール®


 著者らは「小児や青年が重度の精神疾患と診断された場合の多くで、抗精神病薬が処方されていた。初期精神疾患患者では、抑うつや不安症の合併率が高いことを、臨床医は認識しておかなければならない」としている。


<原著論文>
Nesvag R, et al. Eur Psychiatry. 2018 Jan 20.
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うつ病にまつわる5つの誤解

2018-02-17 07:40:46 | うつ病
 「うつ病は“こころの風邪”」と呼ばれた時代もありました。
 が、現実を知る人々には違和感がありました。

 わかりやすく解説した記事が目にとまりましたので紹介します。

※ 下線は私が引きました。

うつ病にまつわる5つの誤解
2018/2/16:All About
 うつ病に関するよくある5つの誤解について詳しく解説します。

◆まだ誤解されがちな「うつ病」という病気
 自分や身近な誰かが心の病気になってしまった時、回復の第一歩として大切なことは、まずその病気をよく理解することです。
 心の病気は一般的に病態が複雑なことも多く、また、誤解されがちな点もあります。これらは病気を正しく理解する妨げになってしまう可能性もあります。
 ここでは代表的な心の病気の一つである「うつ病」を取り上げて、よくある誤解について詳しく解説します。

◆うつ病は「気持ちの弱い人の病気」という誤解
 うつ病を本当の「病気」として見ずに、その人の性格や性質に原因がある単なるパーソナリティの問題のように見なすことは、うつ病にありがちな誤解の一つです。
 例えば、「うつ病は気持ちの弱い人に起こる問題だ」といった考え方です。
 こうした誤解が強くある方がうつ病を発症してしまった場合、精神科を受診することは自分の弱さを認めることだと誤った認識をしてしまうこともあり、これにより、必要な治療がなかなか始められないことも考えられます。
 うつ病は基本的には脳内に何らかの問題が生じたことが原因で起こるもので、抗うつ薬などで対処する必要がある病気です。
 当人のパーソナリティといった単一の要因で簡単に説明できるものではなく、遺伝子レベルの要因、心理的な要因、そして生活環境などの問題が複雑に関わったときに発症すると考えられています。
 うつ病は決して特定の性格の人に起こる病気ではありません。逆に言うと、普段自信に満ち溢れている人でも、いわゆる気の強い性格の人や、明るく社交的な人でも、複数の要因が揃ってしまうと、うつ病を発症する可能性があります。

◆うつ病になると必ず不眠症状が出るという誤解
 うつ病をある一つのイメージで捉えている方も少なくないと思います。
 うつ病発症の初期にそれらのイメージ通りの症状が現われていれば、病気に気付きやすいですが、うつ病の症状にかなり個人差があることは意外と知られていないかもしれません。発症時の状況がイメージから外れていた場合、初期症状を見逃してしまうことになります。
 例えば、うつ病の典型的なイメージとして、顔に笑顔がなくなり、食事も喉を通らず、夜眠れなくなる、といった状態を浮かべる方も少なくないでしょう。
 実際に睡眠や食欲のレベルはうつ病を発症すると、それまでとはかなり変化するため、 うつ病に気付くための重要なチェックポイントになります。
 しかし必ずしも全てのうつ病患者さんに食欲不振や不眠症などの症状が現われるとは限りません反対に過食や過眠傾向が強まることもあります
 また、うつ病を発症すると、精神症状だけでなく、頭痛や腹痛など身体症状がはっきり現われることもあります。
 うつ病は心の病気という認識だけでいると、これらの身体症状に注意が向き過ぎてしまい、現われているはずの気持ちの落ち込みを当人があまり自覚できないような場合もあります。
 うつ病の症状の現われ方が個々人で違ってくることは、うつ病に関する重要な基礎知識の一つとしてぜひ覚えていただきたいことです。

◆うつ病症状は頑張れば克服できるという誤解
 うつ病を発症すると、口数が少なくなったり、仕事や勉強の能率が落ちてきたり、場合によってはちょっとした家事や外出ですら億劫になりできなくなってしまうこともあります。
 周りの方はこうした問題をしばしば病気によるものとは考えられず、当人の気持ちや生活態度の問題のように受け取ってしまいがちです。
 もし上記のような状態を見て、「気合が足りない」「頑張ればできるはず」といった思いがあれば、それは大きな誤解です。うつ病は脳内の機能に問題が生じたために、心身がいわばガス欠になってしまったような状態です。
 当人自身がどんなに頑張りたくても、まるで頑張れない状態になっているのです。例えばですが、ひどい胃腸炎で苦しんでいるときに、どんなに頑張っても全力でスポーツなどに取り組むことができないことと同じです。
 気持ちや気合いだけではどうにもならないため、何か楽しい予定に誘ってみても、当人にそれを楽しむエネルギー自体がないため、つれない態度で拒絶されてしまう可能性もあります。
 苦しんでいる当人を誤解してしまわないよう、予め頭に置いておきたいことです。

◆うつ病は自然治癒するという誤解
 周りの誰かの気持ちが落ち込んでいることに気付いた時、少し時間がたてば元に戻るだろう……と、あまり気にかけないこともあるかと思います。
 確かに通常の気持ちの落ち込みならば、時間の経過とともに元に戻りますが、うつ病を発症している場合、「放っておけば良くなる」といった考えは完全に誤解です。うつ病は未治療のまま放置すれば、ますます深刻化していく可能性があります。
 とはいえ、うつ病の始まりは周りの目には日常的なレベルの不調と見分けがつきにくいものです。うつ病の始まりを見逃さないためには、落ち込みの持続期間と深刻さにどうか注意してみてください。
 もし周りの目から見ても、一定期間を超えて、継続的な気持ちの落ち込みが見られ、その他にも気になる問題が現われているような場合、治療が必要なレベルに深刻化している可能性もあります。
 個人差はありますが、もし1週間以上、気持ちの落ち込みがずっと和らぐことなく継続していて、日常生活にも支障が現われているような場合は、うつ病の可能性も考慮すべきでしょう。

◆「死にたい」という言葉は構われたいためという誤解
 また、落ち込んだ様子の相手の口からもし仮に自殺をほのめかすような言葉が出た時は、周りの方は絶対に軽視しないでください。
 中にはそういった言動を、構われたくて言っているだけではないかと考えてしまう方もいるようですが、死にたいといった言葉を口にする時点で、うつ病がかなり深刻化している可能性があります。
 ただちに精神科(神経科)を受診され、必要な治療を開始すべき状況です。そして放置すれば実際に行動に移してしまう可能性もあることを、周りの方はくれぐれも注意する必要があります。

 以上、ここではうつ病の基礎知識として、うつ病にありがちな誤解を詳しく解説しました。うつ病の発症率は統計によっても数字に幅がありますが、多くの統計で「人口の10%前後」と言われています。決して珍しい病気ではありません。
 万に一つではなく、十に一つの、身近な病気です。ここで解説したことに該当する誤解をされていた方は、どうかただちに修正し、正しい認識を持っていただくよう、お願いいたします。

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精神障害の苦悩「勇気をもって語る」

2018-02-13 06:48:17 | 精神科医療
 偏見・差別を避けるために隠すのが当たり前だった精神疾患。
 変化の兆しが見えてきました。

■ 精神障害の苦悩「勇気をもって語る」 静岡でセミナー
2018年02月12日:朝日新聞
 「勇気をもって語ります」
 そんなタイトルの市民公開セミナーが、静岡県藤枝市茶町1丁目の市生涯学習センターであった。語ったのは精神障害の当事者だ。
 「私は統合失調症です」。同市の黒田成基さん(44)はとつとつと語り始めた。発症は社会人3年目のころ。長時間勤務の疲れと、かつてネズミ講に関わった罪悪感から「警察に追い回されている」という妄想にとりつかれた。
 「株主総会の時、警備に訪れた私服警官と会社の同僚が一緒になって自分を追いかけてきた。……あ、妄想です」。時々、自分で断りを入れながら、幻覚の苦しさを吐露する。
 「死のう」と富士の樹海に行った帰り、対向車のトラックが全て敵意を持ってパッシング(ヘッドライトの点滅)してきた、と見えた。発作的に焼津の歩道橋から身を投げた。両足と右ひじを骨折、頭蓋骨(ずがいこつ)も陥没する大けがを負った。
 定期的に通院するようになり、「パトカーの登場も減ってきた」。2年前に結婚して、市内の公営住宅に住む。「病者だけど全力で生きてきた」と語った。
 村沢龍一さん(34)はアルコール依存症と、うつ病に苦しんだ。先天性心疾患で幼少期に受けた手術跡があり、小学校でいじめられた。「中学でぐれ、お酒とたばこに手を出した」。絵を描く特技をいかした仕事についたが、上司とうまくいかずに酒量が増えた。会社を辞め、飲食店の店長になった。「自分の精神のゆがみを直視しないために、ひたすら飲み続けた」
 2度の入院。妻と2人の子は去っていった。断酒して3年。「酒のせいで頭の中は中学生で止まったまま。実年齢と差が開きすぎて苦しい」
 半年前から3度、脳梗塞(こうそく)で倒れた。幸い、まひは軽度ですんだ。「生きなさい」と言われたのだろう、と今回、体験を話すことにした、という。「だんだんと顔を上げて生きていきたい。マイペースで歩んでいきたい」
 セミナーは先月開かれ、主催したのは「精神保健福祉ネットワーク会議」。2002年に精神障害者と医療者、市が対等に話し合う場として発足した。当事者による公開セミナーは5年前に始まり、これまでに14人が市民を前に人生を語ってきた。
 心のクリニック(同市)の中江清員医師は「実名で地元で語るというのは、本当にすごいこと」。ケースワーカーの藁科ひろ子さんは「当事者の大変な歩みを聞くことで、身近な人に精神障害への理解や、助けたい、という気持ちが生まれる」。
 会場で聞いていた女性は「私も携帯ゲームにはまったり、買い物に逃げたりする。誰でも小さな依存症がある。2人の正直な言葉は、心に響きました」と話した。

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