自転車バカ

　著書を手にしたとたんに「この人はいったいどれほどのロードバイクに乗り、ロードレーサーを何台持っているのだろう？」と思わせる程の自転車バカを自称する菊地武洋氏。その著書はロード買うなら業界一の自転車バカに訊け! 。この本は、昨年の秋以降、今回のロードバイク購入で最も参考にさせて戴いた1冊です。
　昨年本気でロードレーサーに乗ってみたいと思い、ネットで2011年モデルを調べ始めると、GIANTのコストパフォーマンスの高さが群を抜いていると痛感し、GIANTの2011年モデルの動向を追い続けて来ました。その中でGIANTは安いけど・・・的な記事も多く見かけました。そんな時に手にしたのが菊地氏の本でした。この著書は「カタログスペックの裏読み講座」から始まり「セパレート買いで”マイベストBIKE”を作ろう」まで自転車バカなら絶対に役に立つ情報がてんこ盛りです。
　この中の「20万円で買えるオススメBIKE」にGIANTのTCR ALLIANCEの2010年モデルが掲載されているのを見て安心したことを覚えています。業界一の自転車バカを自称する氏に「ジャイアントをどう評価するか？これはハードウエアに関する自転車テストとしては、なかなかの質問になる。台湾ブランドというだけで拒絶する人もいるし、安さだけを評価する人もいる。ところが、知らなくてもいいことまで穿り返して調べてみると、嫌になるほどジャイアントのスゴさを思い知らされる。」と言わしめているのです。
　ALLIANCEモデルは今年のカタログからは姿を消しましたが、それに換わるTCR COMPOSITE SEやTCR SL2の軽量化を見ても氏の評価は妥当なものだと思っています。私が購入するTCR2の場合、氏の評価に応える為には最低ホイールとタイヤの交換は必要になります。サドルを昨年のALLIANCE同様にフィジークに、クランクやブレーキ、インナーケーブルをSHIMANOの純正品に交換したとしても105なら昨年のALLIANCE（199,500円）を超えることはないと思います。
　ならば初めからTCR COMPOSITE SEかTCR SL2にするという手もありますが・・・ただ、このコメントでGIANTの製品に関して私の中の迷いがなくなったことは確かです。個人的にTCR2はあくまあでもロードレーサーの入門用と位置づけています。ホイールを換え、タイヤを換えて行きながら自転車バカの道をまっしぐらということになるのでしょう。この本の「あとがきに代えて」の「最後にもう一度言うが、ブランドとかインプレ記事での評価なんかを気にするよりも、惚れた自転車に乗ろう。いくら高いと言ったって、必死にカネを貯めれば誰だって買える程度のモノだ。逆に、安い自転車だって、セッティングがバッチリ出れば、快適に走れる。」という言葉をかみ締めているところです。
　私は「自転車マニア」より「自転車バカ」という言葉を好みます。「自転車バカ」という言葉にどうしようもない男の子供っぽさと壮大なロマンを感じてしまうからです。だから「バカ」なのかもしれませんが・・・