パリオリンピックが閉幕し、自転車のトラック競技ではオランダのハリー・ラブレイセンが金メダルを独占しました。世界選手権を5連覇中のラブレイセンの強さは圧巻でした。日本新を記録した日本の小原佑太はスプリントで6位、ケイリンでは不運に泣いた太田海也は7位という結果でした。
メダルの期待が高く、オリジナルバイクV-Izu TCM-2で臨んだものの、不可解な判定もありメダルには手が届きませんでした。このスペシャルなバイクは市販もされているようですが、価格は1,800万円を越えるというのですから驚きです。プロ仕様のロードバイクの10倍近い価格なのですから。
イタリアもPinalleroの新型バイクを投入していましたが、男子はメダルなしという結果に終わっています。日本は東京オリンピックでは国内主要メーカーブリジストンのバイクを使用していたのですが、パリでは東レ・カーボンマジック株式会社(TCM)にメーカーが変更されているのです。
一方、オランダはずっとKOGAのバイクを使用し続けています。ただ、チェーンはパリ五輪から日本の大同工業のDIDチェーンを使用する契約を結んだようです。今回はラブレイセンを脅かす存在となっていたオーストラリアのマシュー・リチャードソンはカナダのARGON18のバイクでした。こちらのトラックバイクはフレームセットで60万円前後で、ロードバイクとほとんど変わらない価格なのです。勿論、専用パーツ等で組んでいるので完成車の価格は不明ですが、決して1,800万円にはならないはずです。
ロードバイクの価格はほとんどが開発費なのですが、販売台数が限られたトラックバイクを新たに開発しようとすると、こうなってしまうのでしょう。残念だったのはこれだけ多額を投じてもメダルがひとつも獲得できなかったことです。これは、今後の強化費に影響しなければ良いのですが…バイクの費用だけで数億、メダル5個のフェンシングの強化費は3億円程度だといわれているのです。選手の数がほとんど変わらないのにこのコスパの差は大きいと思います。
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