近年ロードバイクのディスクブレーキ化の傾向が顕著です。MTBでは馴染みになっていたディスクブレーキですが、ロードバイクでもディスクブレーキモデルが出始めた当時、私はこれは普及しないだろうと思っていました。理由は単純でプロが使用出来ないだろうというものでした。
1分1秒を争うプロのロードレースでパンク時のホイール交換に時間がかかり過ぎると思ったからです。集団落車の際のケガのリスクもあり、実際にUCIがロードバイクのレースでディスクブレーキの使用を正式に認めたのは2022年になってからのことでした。とはいえ、プロであっても必ずしもディスクブレーキが使えるとは限らないのです。UCIのプロツアーに出られるような資金力のあるチームならともかく、勝利を求めるなら、パンク時にバイク毎交換する必要があり、今でもリムブレーキを使用している選手やチームがいることもまた事実なのです。
とはいえ、リムブレーキに比べて制動力(効きが良いというよりコントロールがし易い)が高く、雨や泥の影響を受けにくいディスクブレーキは私のようなホビーライダーにはメリットの方が遥かに大きい気がしています。TCR2から第3世代のSupersix EVO迄ずっとリムブレーキのロードバイクに乗って来ましたが、グラベルロードのTopstoneに乗るようになり、機械式のSORAから油圧のGRXへコンポを換えてからは、ディスクロードの良さが実感出来るようになりました。
ディスクブレーキにはワイヤーの引きで制御する機械式と自動車やオートバイのように油圧で制御する油圧ブレーキの2種類があります。これはコンポーネントの機械式とは違うので注意が必要です。機械式105のディスクブレーキが油圧式というケースもあります。シマノの場合、105以上のコンポーネントのディスクブレーキは全て油圧式です。
ロードバイク用のディスクブレーキはMTBのそれとは明らかに異なります。MTBに比べてロード用ディスクブレーキは意図的に制動力を低下させる設計がなされているのです。MTBのブレーキに慣れてしまっていた私はSORAの機械式ディスクブレーキがあまりに効かないのに驚かされました。急ブレーキならおそらくリムブレーキの方が効きが良いと思います。それは油圧式でも同じでしょう。ただ、ロードバイクの急ブレーキは危険なので、安全性の面でもロードバイクのディスクブレーキの方が上なのかもしれません。とにかく、少ない力で制動が効くので、手に力のない私のような高齢者や女性にはメッリとしか無いように思います。
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