自動車産業が国の基幹を担っている日本では、脱酸素化は自動車の排気ガス規制や、ハイブリッド技術など世界最先端の技術で世界をリードしているので、自動車に不自由をしいてまで自転車の利便性を図る必要性を感じていないのかもしれません。日本では「歩行者優先」という原則が徹底され、対自動車に関しては確かに歩車分離政策が進み、歩道の整備や拡幅は進められていますが、未だ十分とはいえず、欧米諸国と比較して,全死者数に占める歩行中の死者の割合が高く,また,人口当たりの歩行中の死者数も多いのが実情なのです。
ただ、事故の発生状況をみると、車道横断中の事故が70%以上と圧倒的に高く、歩道の整備や拡幅の遅れだけが要因ではないことは確しかです。車道の整備が進み、信号機がこれでもかというほど多い国は欧米でも類を見ない国で、なぜ道路横断中の事故が多いのか、これはドライバーの遵法精神が低いといった問題ではないと思っています。
欧州の自転車先進国ではむしろ信号機が少なかったり、シンプルだったりするのが一般的ですし、交差点も日本のような十字路ではなく、円形交差点が多いことも特徴でしょう。日本人は信号機に慣れ過ぎているため、信号機がない交差点や道路上での歩行者を見落とす事故が多発しているのです。欧米ではそもそも信号機が少ないので、普段から「歩行者優先」を意識徹底せざるを得ないのです。日本でも信号機の無い横断歩道を通過する際の道路交通法上の規則はしっかりと定められているのですが、あまりにも信号機に慣れ過ぎているため、信号機の無い横断歩道や交差点に意識がいかないことが多くなるようです。
車の免許を持っていてもこのようなことが起きているのですから、免許を持たない、道路交通法を良く知らない人が自転車に乗ればどうなるか?しかも、その自転車の性能が上がりスピードが出る乗り物になっている状況を加味すれば、交通事故における自転車の占める比率が上がるのは必然だといえるでしょう。
個人的には学校教育の場にスポット的に導入されている自転車教育を義務教育の一環としてカリキュラムに組み込んでも良いのではないかとさえ考えているのです。本当は欧州のような都市計画が理想なのですが、費用も時間もかかり過ぎるので、即効性がありません。今回の法整備をベースにした自転車教育を小学校の3・4年生くらいから始め、車の免許を持たない人にも道路交通法の基礎や理念を理解してもらえれば、交通事故は確実に減らせるはずです。法律に関しては社会科で実技は体育の授業で、自転車の整備や修理は技術家庭科で分担するのも一案です。
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