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スポーツクライミングに魅せられた理由(2)

2024-08-16 16:00:32 | ツーリング
 スポーツクライミングには、同じ条件で設置された高さ15mの壁を2人の選手が同時に登り速さを競う「スピード」、高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を、制限時間内にいくつ登れたかを競う「ボルダー」、制限時間内に高さ12m以上の壁のどの地点まで登れるかを競う「リード」の3種目があります。スポーツクライミングが初めて実施された東京2020大会では、スピード・ボルダー・リードの3つによる複合種目として男女2種目が実施されました。パリ2024大会でも引き続きスポーツクライミングが実施されますが、東京2020大会とは異なり、単独種目としての「スピード」と「ボルダー&リード」の複合種目がそれぞれ男女で行われました。

 オリンピック毎に種目が増えているので、2028年のロスオリンピックでは「ボルダー&リード」の複合ではなく、「ボルダー」と「リード」をそれぞれ別種目として実施して欲しいと願っています。そもそも、ワールドカップでは3種目で行われているスポーツクライミングを複合競技にしているのはオリンピックだけなのですから。そうすれば今回のオリンピックのような「不公平」とか「かわいそう」といった意見は間違いなく減ると思います。

 競技種目おける体格差を考慮して。レスリングや柔道のように階級別の種目として実施している競技もありますが、あくまでも少数派です。陸上でも水泳でも球技でも身長差や体格差は考慮されていないのです。この体格差を差別だという人はいないはずなのです。バスケットボールで日本の河村選手の前に立ちはだかったフランスのビクター・ウェンバンヤマ選手の身長は2m24cmでした。河村選手の身長は172cmですが、この時の河村選手をかわいそうだと思った人もいないはずです。

 では、何故、森選手にだけ「かわいそう」とか「不公平」という感想が集まったのかというと、森選手の「ボルダー」と「リード」のギャップにあったと思っています。「リード」でのあの登りがなければ、これほど大きな反響は無かったに違いありません。誰もが感動した森選手の「リード」は間違いなく世界一で、金メダルに値するものなのです。

 日本の安楽選手を破り男子複合で金メダルを獲得したイギリスのトビー・ロバーツ選手が「With the legend」と森を称えたように、こうした動きがIOCを動かし、ロスではワールドカップ同様に「スピード」「ボルダー」「リード」の3種目として実施されることを願うばかりです。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)はIOCに働きかけはしているのでしょうが、そこは資金力の問題があるのかもしれません。
 




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