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印象に残るレー:2024(1)

2024-11-14 14:28:39 | プロ・ツール
 UCIのワールドツアーもシーズンオフに入っています。今年は久々に春先からロードレースを観る機会が多かったので、その中でも印象に残ったレースを振り返ってみたいと思います。来シーズンを占う意味でも1年の振り返りは欠かせません。ポガチャル1強といったシーズンになりましたが、果たして来年はどうなるのでしょう。
 年明け早々に始まったUCIワールドツアーはオーストラリアのツアー・ダウンアンダーで、UAEのイサーク・デルトロが第2ステージでプロ初勝利というのが強烈なインパクトを残しました。前年のツールドラヴニールの覇者で、ポスト・ポガチャルの期待の高い選手でしたが、よもやプロ3戦目でのステージ優勝は考えていませんでした。2018年のラヴニール覇者ポガチャルもダウンアンダーでは8位が最高順位だったのですから。

 その後もフアン・アユソのアシストとして参加したティレノ・アドレアティコでも良い走りを見せ総合4位と大健闘を見せます。この大会はツールを連覇中のヨナス・ヴィンゲゴーが出場していて、第5ステージでは力の差を見せつけられることになるのですが、21歳のアユソを登りでアシストしていた姿が忘れられません。
 サンジャコモの登りで何度も遅れそうになりながら、必死にアユソのいる集団に食らい付き、時には先頭も牽く姿に頼もしさを感じたのです。才能がありながら、あまり闘志が感じられないアユソには少々物足りなさを感じていたのですが、1歳下にこんなガッツのありそうな選手が出て来ると、アユソのお尻にも火が付くはずです。
 ポガチャルという絶対的なエースが君臨するチームで、難しさもあると思いますが、ポストポガチャルの有力候補の一人であることは間違いない才能の持ち主のようです。1歳上には昨年のブエルタ総合4位のアユソがいて、ティレノ・アドレアティコではエースを任されていたのです。

 そのアユソが個人TTでフィリッポ・ガンナを下し、一時リーダージャージを着ていたのですが、第5ステージではヴィンゲゴーのアタックに対応出来ず、タイム差を空けられてしまいました。前週はストラーデビアンケでポガチャルの80kmを超える独走勝利にも驚かされましたが、ツール・ド・フランス連覇中のヴィンゲゴーにもこの段階では隙が無い王者の風格が漂っていたのです。

 超級山岳サンジャコモの登りでアタックし、下りも含むコースで後続に1分12秒もの差を付けてしまったヴィンゲゴーですが、その前のグラン・カミーニョでもステージ3勝で総合優勝していたのですから。
 残念ながらバスク1周で大きな落車に巻き込まれ、骨折に加え肺に損傷を負う大怪我を負ってしまうのですが、それがなければツールでのポガチャルとの戦いはもっと迫力があるものになっていたはずです。この段階ではポガチャルのWツールの可能性については懐疑的でした。
 



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