ツールの第12ステージは総合優勝争いからログリッジが脱落する大きなアクシデントがありました。残り12kmでの大きな落車に巻き込まれたログリッジは大きなタイムを失ってしまうことになってしまいます。
ログリッジは前日のステージでも最後の下りで落車していましたが、3kmルールの適用でタイム差は生じていませんでした。この件をきっかけにUCIは来年から3kmルールを変更し、単独落車は救済の対象外になるそうです。
それにしてもログリッジはつくづくツールに縁がないようです。今回の落車はアスタナの選手が中央分離帯に乗り上げたのがきっかけでしたが、後々問題になりそうな大落車に巻き込まれた格好で、不運としか言いようがありませんし、2021年、2022年と連続で落車リタイヤしているのですから。しかも2020年はポガチャルに大逆転を許し、シャンゼリゼの直前で悲願のマイヨジョーヌを失っているので、ジロとブエルタを征しているログリッジにとってツールはどこまでも遠い存在になりつつあるようです。
ステージ優勝はレース後に「マイヨヴェールを着てから力が増している」と答えていたビニヤム・ギルマイが区間3勝目を挙げました。ワウト・ファンアールトがまたまた斜行による不利を受けながら2位と奮闘を見せます。ワウトも前日、カーブを曲がり切れず歩道の縁石に乗り上げて落車していたのです。
ここまで昨年のマイヨヴェールのフィリップセンの調子がイマイチ上がり切れていないような気がしていました。春先のミラノ~サンレモでモニュメントを征したことの反動が出ていたのかもしれないと思っていたら、13ステージで早目の仕掛けからワウトを抑えて区間2勝目を飾るのですから、驚きました。典型的な気分屋なのかもしれません。
ツールの13日目は前日の落車の影響でログリッジがスタート前に、新型コロナ感染でUAEのアユソが途中リタイヤするという波乱がありました。ログリッジに関しては前日の様子から無理かもしれないと思っていたのですが、今年、ティレノアロレアティコでもヴィンゲゴーに次ぐ総合2位と健闘していたアユソのリタイヤはポガチャルにとっても大きな痛手になるかもと思っていたら、横風区間で先頭を牽くは、ゴールスプリントに加わる等、ポガチャルはどこ吹く風といった感じでした。
マイヨヴェール争いはギルマイとフィリップセンの二人に絞られましたが、フィリップセンにとっては第6ステージの降格が大きく影響しそうな感じです。それにしても平坦とはいえ165.3kmを3時間23分というタイムはクレイジーです。横風区間がありクラシックレースのようなハイペースで進んだことが影響したのでしょう。翌日からピレネーに入るというのにアシスト勢の疲労が気になります。
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