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UAEツアーの第3ステージを勝ち3年振りとなる赤いリーダージャージを手にしたポガチャルですが、その翌日にはヴォルタ・アオ・アルガルヴェでヤン・クリステンが勝利し黄色のリーダージャージーをブエルタ・ア・アンダルシアではパヴェル・シバコフがピドコックの3位に入り、こちらも黄色のリーダージャージを手にしているのです。
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中東とヨーロッパの距離の離れたレースで3枚のリーダージャージを同時に着用するのはUAEチーム・エミュレーツとしても珍しいことだと思います。チームのロースター枠は最大30名なので、数字的には最大で4つのレースに同時に出場することは可能ですが、エースやアシストの脚質や役割を考えると3レースがMAXでしょう。
確かにUAE以外にもチーム・ヴィスマやリドル・トレック、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエといったトップチームは同時に3つのレースに選手を出場させていますが、自ずとエースで優勝を狙うレースは限られてくるものです。
例えば、強力なスプリンターを持つアルペシンやクイックステップにリドルはエーススプリンターを平坦ステージが多いUAEツアーに出場させています。勿論、エーススプリンターの発射台となるエースアシストも帯同するのが一般的です。
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一方、山岳ステージがメインのブエルタ・ア・アンダルシアにはGCライダーが集まり易いのです。ただ、今年はヨナス・ヴィンゲゴーやプリモシュ・ログリッジがヴォルタ・アオ・アルガルヴェを選んでいるので、今年のブエルタ・ア・アンダルシアはやや手薄なメンバーとなっているようです。
ただ、今年イネオスからQ36.5に移籍したトム・ピドコックが存在感を見せているようですが、初日のクイーンステージで遅れてしまったため、2日目に勝利しても総合リーダージャージはジェイ・ヴァインの手に渡っている状況なのです。メンバーもマルク・ソレルやティム・ウェレンスといったベテランに19歳のパブロ・トーレスや22歳のイゴール・アリエタという組み合わせなのです。
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ヴォルタ・アオ・アルガルヴェはエースはアルメイダでしたが、第2ステージを見事に逃げ切ったヤン・クリステンがリーダージャージを着用することになっています。こちらはヴィンゲゴーやログリッジといったそうそうたるGCライダー達が集まっている大会なので、UAEとしても嬉しい誤算だったのかもしれません。ヴィンゲゴーやログリッジといったビッグネームの上にヤン・クリステン、ジョアン・アルメイダ、アントニオ・モルガドというUAEチーム・エミュレーツ勢の名前が並んでいるのですから。
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第3ステージはスプリント勝負に持ち込まれましたが、上位の3名は集団で無事にゴールし、リーダージャージはクリステンが、ポイント賞ジャージは繰り下げでアルメイダが、新人賞ジャージも繰り下げでモルガドが着用するという異例の事態になっています。
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アダム・イエーツやフアン・アユソといったサブエースが出場していないにも関わらず、3か国で3枚のリーダージャージをUAEが独占するという事態に、他チームはどのように感じているのでしょう。シーズンはまだ始まったばかりですが、ヴィスマ・リアースバイクの不振が少し気になります。まあ、ヴォルタ・アオ・アルガルヴェの最終日は登りゴールの個人TTになるので、ヴィンゲゴーの逆転優勝の可能性は十分にあると見ています。
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