こんにちは!
ブログ読んで頂きありがとうございます。
舞鶴市で創業80年、思わず深呼吸したくなる自然素材でほんまもんの木の家づくりをしています。
木を愛する・・・塩見工務店 大工のともです。
10年後、20年後のメンテナンス費用を抑えた良い家を建てるには?について
書いてみようと思います。
私たちは良い家を造ります!どの建築会社さんも謳っています。
これから家を建てようと考えている方からすれば、では良い家ってどんな家?って
なると思います。
まず、私達が勧める良い家の定義とは、どのような家なのかをお話しま
しょう。
率直に言うと『住宅取得後に、余分なお金が極力かからない建物』=「長持ちする家・メンメンテナンスコストのかからない家」が、良い家であると思います。
つまり、毎日使用する電気、ガス等の光熱費、俗に言うランニングコストが
極力少ない家、メンテナンス等のリフォーム費用が極力少ない家が良い家の定義だと思います。
では長持ちする家・メンメンテナンスコストのかからない家を建てるには?
どうすればいいのか書いていきたいと思います。
(※あくまで家造りをしている大工目線から見た私の考える良い家の考え方です。答えは1つではないと思いますので1つの参考にして下さい)
パート1は『家の形』編です。
みなさんは住宅の形を決めるとき、何を基準にして、どの順序で考えていきますか?
ここではできるだけコストを抑えて家を造るという観点から書いてみようと思います。
あまり知られていないかもしれませんが、建物の値段を左右するのは、家自体の形状とも深くかかわりがあります。
複雑な形状をしている家ほど、建設コストがかかるということは言うまでもありません。
だからその費用を抑えるためには、できるだけ正方形に近い形が、もっとも経済的だということです。
家造りをお考えの多くは子育て世代と言われる子ども2人の4人家族、あるいは将来そうなる予定の方が多数です。
こうした方が、 一般的に持つ住宅は、2階建てで延べ面積30〜40坪前後の大きさが主流です。
家の構成は玄関、LDK、寝室、子ども部屋2つ、ウォークインクローゼット
トイレ、浴室、洗面脱衣室がある感じでしょう。
こういった部屋を、入り隅み(引っ込んだ隅)や出隅み(出っ張った角)の少ない総2階の四角の家に配置することで、
建設コストやメンテナンス費用を抑えることができます。
またこのような形の家は、述べ床面積のわりには、小さい土地でも建てることができるので、土地代も抑えられ、トータルの支出額を大幅に削減できます。
同じ延べ床面積の平屋と比べると、費用は約3割も抑えることができます。
また、特殊な形状の家や、2階よりも1階を大きい家にしてしまうと、それに対応する資材や部品が必要になってくるので、当然のことながら余計なコストがかかってきます。
総2階の四角の家では、メンテナンス費用も圧倒的に安くなります。
メンテナンス費用が安くなるのはシンプルな総2階の四角の家です。
パート2は 〜基礎〜
住宅の基礎は、大きく類別すると布基礎と、ベタ基礎の2種類があります。
この二つの中では、ベタ基礎をお勧めします。
ベタ基礎は、家の荷重を面で受けます。
布基礎は線で受けます。
面で受けるベタ基礎は地盤沈下などを防いでくれます。
沼地に板を敷いて、板の上に乗るところを想像してみてください。この場合、明らかに面の大きい板に乗ったほうが、沈みが少ないのはお分かりでしょう。
住宅の基礎でも同じことが言えます。
近年は、地震の危険性についての報道も多く、ユーザーも基礎構造についてはかなり過敏になっていると思います。
メーカーは自社の工法について、さまざまなアピールをしているでしょう。しかし一番大切なことは、その建物に適した構造数値です
。日本の法律は構造数値について特に厳しいですから、きちんとした構造計算をされて、適合する数値であるかを知ることが必要です。
構造計算で安全が証明されれば、安心できる基礎構造です。
より強固に越したことはありませが、コストにも影響するため、数値以上の過度な構造にする必要はないと思います。
なかには他社との差別化のためだけに、地震への恐怖感をあおり、過度な強度の基礎を売りにするメーカーもあります。
阪神大震災以前は、あまり住宅の基礎には注目されていませんでした。
しかし震災以降は、国民全体が基礎や耐震という言葉に過敏になりました。
そこに住宅メーカーがつけこんできたのです。
しかしそれが、ユーザーにとって過大なサービス、仕様となってしまっている場合がありますので気をつけてください。
大切なことはその土地に合った構造計算をしっかりとして、きちんとした基礎造りをすることです。
さらに気をつけていただきたいのは、基礎本体だけでなく地盤の地耐力(地盤が荷重に耐えうる力のこと)です。
現在、家を建てる前に、地盤調査をすることが義務づけられています。地盤調査に基づいた正しい基礎の設計、または地盤の改良をしなければいけません。
当然ながら地盤の改良が必要な土地では、余計なコストがかかつてしまいます。
地盤により、建築コストは大きく変わってくるので、土地購入前に、地盤について不動産業者にできる限りの情報開示をしてもらうことが大切です。
日常生活の利便性だけを考えて土地を購入すると、考えもしない大きな落とし穴があるかもしれません。
地盤調査は、通常土地を購入してから行うものです。
購入予定地自体の情報でなくても、その土地にできるだけ近い地盤調査データでもよいので、購入前には知ることが必要です。
パート3は屋根について書いてみます。
屋根の形状には、 一般的には切妻、寄せ棟、片流れといつたものが挙げられます。
このなかでコストやメンテナンスに優れているものは、断然、切妻と片流れでしょう。
先でお話したとおり、できるだけシンプルな形状の屋根にしたほうが、将来的にも無駄な費用をかけなくて済みます。
その代表的なものは『切妻』と呼ばれる形状の屋根です。
使用する材料によって異なりますが、切妻での屋根の傾斜は、4. 5〜6寸ほどのものを考えるのが理想的です。
傾斜が緩くなると、雨漏りの危険性が出てきます。
逆に傾斜がきつすぎると、屋根の面積が大きくなるので、建設時にコストが高くなってしまいます。
次に屋根材を考えていきます。
住宅の屋根材には、瓦、鉄板、石綿スレートが一般的に用いられています。
では、どの材料を使用したらいいのでしょうか?
他の材料とは違い、屋根形状によって使用可、不可があるので、各材料の特徴をまずは知っておいてください。
初めに瓦ですが、以前は台風に強く、地震に弱いと言われていました。
昔は屋根に土を盛りその上に瓦を敷く『土居敷』と呼ばれる工法で造られていたので、屋根自体が重くなり、災害時は倒壊する原因になっていました。
しかし現在では、土を使わず直接瓦を釘で止める乾式工法が主流になっていますので、以前に比べて屋根荷重ははるかに軽くなりました。だから、比較的地震にも強くなりました。
瓦にも多くの種類がありますが、日本の住宅には、水分を含みにくいものがベストです。
日本製の焼き温度が高く、撥水処理が施してある瓦がお勧めです。
要は、メンテナンスコストや耐久性を考慮すると、日本製の瓦を選ぶことが最適だと考えています。
次に鉄板ですが、屋根勾配(傾斜)が少ない場合でも、雨漏りの心配がなく、片流れの場合にも適していて、屋根形状をあまり選ばないのが特徴です。
使用する材料によっては1‐5年ほどの保証も付き、ある程度の耐久性はあります。
しかし、熱伝導率が高く、熱を伝えやすいことや、厚みが薄く、雨音を伝えやすいことから、使用する場合はそれなりの処置が必要です。
他にも、洋風スタイルの住宅で多用されているスレート系の瓦もあります。
一般的には、カラーベストと呼ばれている、薄い軽量の屋根材です。
この屋根材はコストが低い、工期が短い、低重量などのメリットはありますが、耐久性があまりなく数年で色落ちする可能性があるため、メンテナンスコストのかかる材料です。
最後まで読んで頂きありがとうございます!