爺さんの独り言

雑木林から街中に帰ってきた爺さん

母の最後の言葉

2014年03月08日 | 日記
 大雪が降り始める2日前、母はまだ話が出来た。『自分の身体を大事にしろよ』と繰り返し言った。お別れのようなことを言うなあ、とちょっと気になっていた。話が出来たのはそれが最後だった。大雪の後、月曜日には、もうはっきりとした言葉は出なくなっていた。それでも、側で手を握って歌を歌ってやると手で拍子を取っていた。

 カラオケ教室にも行き、町の文化会館で歌ったりして、田舎町ではちょっとした名物ばあさんだったようだ。NHKの“のど自慢”に出たくて、一度予選に出たが、年上のおばあさんが一人いてその人が選ばれて、出れなかった。こちらに来てからは、いつか『親子二人でのど自慢に出よう』と話していた。実現はしないだろうとは思っていたが、そんな話をすること自体が楽しかった。

 自分の身体を大事にして、母と同じ年、98迄は無理としても90くらい迄は元気でいたいものだと思う。
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