爺さんの独り言

雑木林から街中に帰ってきた爺さん

昭和の犬

2022年12月17日 | 日記
 小さなモノクロの古い写真が一枚 少年一人と少女が二人 真ん中に犬 この写真を連れ合いが絵にしてくれている まだ完成してないが絵のタイトルは『昭和の犬』にするという この犬は猪を追いかける猟犬の血を引いている強いたくましい犬 

 
 

 この犬のボスは少年 絶対的なボスであり食事も少年からもらっていた 食べ物の入った食器が目の前に前に置かれても他の人が『よし』と言っても絶対に食べなかった 涎を垂らしながら少年の顔を眺め『よし』を待っている 早く食べさせてやれよと母がよく言っていた

 中庭の廊下の下の犬小屋で寝ていた 大きな家で表の玄関の方はそこからは見えないけどが少年が学校から帰ってくるとすぐに分かるようで飛び起きて体を震わせて待っていた 少年は上り口に鞄を置いて犬のところに行く そこでしばらく大はしゃぎ 飛びついて転がされまた飛びついて しばらくその繰り返し 楽しかったなあピースよ 川のほとりを田んぼのあぜみちを裏山の坂道を一緒に走った 歩いた  

 あれから70年の歳月が流れた 少年も少女も年老いた しかし犬は若くして死んだ 少年は自分が死なせてしまったのだと年老いた今も心を痛めている あの世に行ったらまずなんとしてもこの犬に会いたい そしてしっかりと抱きしめて謝りたい そう強く思っている 犬は大喜びすぐに許してくれるだろう こんな白髪の爺さんになっていたのかと犬はビックリするかな? 
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