古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の三七三

2017年10月03日 09時38分46秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百四ページ、上の七行目

解読 被下候。髪月代ハ、月ニ三度ツゝ役人衆御壱人御越

読み 下され候。髪・月代は、月に三度づつ、役人衆お一人お越し

説明 「被下候」・・・下され候。 次の文字は読めませんが、文意から「髪」と読みます。頭髪。 「月代」・・・『さかやき』。男の髪の毛を頭の中央にかけて半月形にそり落としたもの。冠の下に当たる部分を剃ったのが始まりとされる。元々武士の髪型であったが、江戸時代には町人もこの形に剃る様になった。(広辞苑)。 最後は「御越」・・・お越し。 


第五十九章 漂流外国物語 其の三七二

2017年10月02日 10時32分24秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百四ページ、上の五~六行目

解読 等被下候。冬向ニ相成、布子壱ツ被下候。

    揚り屋ニ居候間ハ毎日紙代三文煙草代六文ツゝ

読み 等下され候つる冬向きに相成り、布子一つ下され候。

    揚り屋に居り候間は、毎日紙代三文、煙草代六文づつ

説明 ここは薄くて読み辛いですが、「等被下候」・・・など下され候。 「布子」・・・昔の衣類で「木綿の綿入れ」。別の言い方をすれば、「綿の入った長着」。冬用の衣類の事です。 「壱ツ被下候」・・・薄くて読みにくい。 「毎日」・・・ここは字が濃いので読みにくい。 「三文」・・・「文」『もん』は小銭の単位です。

 


第五十九章 漂流外国物語 其の三七一

2017年10月01日 10時27分08秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百四ページ、上の三~四行目

解読 無之との御読聞セ之上、爪印仕候。

    一、揚り屋へ入候節、笠壱本、下駄壱足手拭下帯

読み これ無しとのお読み聞かせの上、爪印仕り候。

    一つ、揚り屋へ入候節、笠壱本、下駄壱足手拭い下帯

説明 (何等申し分)「これ無しとの」・・・「何も言い分は御座いませんと言う」。 「御読聞セ」・・・文章を読んで聞かせる事。 「爪印」・・・拇印(ボイン)右手の親指の先で、印鑑に代えて朱肉をつけて押す印。 「候節」・・・「節」が難しい。入る際。 「手拭い」・・・タオル。 「下帯」・・・したおび。ふんどし。昔の男性のパンツ。

 


第五十九章 漂流外国物語 其の三七〇

2017年09月30日 10時34分48秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百三ページ、上の一~二行目

解読 せず勧ら連茂せづ拝もせづ候事に候得共、追而

    相顕連候ハハ゛、いか様之御咎被仰付候共、何等申分

読み せず、勧められもせず、拝みもせず候事に候えども、追って

    相顕れ候らわば、如何様のお咎め仰せ付けられ候とも、何等申し分

説明 「せず」・・・聞きもせず。「須」は変体仮名の「須」です。 「勧めら連茂」・・・勧められも。 「せづ」・・・文字は薄くはっきり読めません。 最初の「せず」とこちらの「せづ」は仮名の文字が違いますが、意味は「しないで」。 「拝もせ川゛」・・・拝みもせず。「川」は変体仮名の「つ」です。 「候事ニ」・・・「事」は「古」の下に「又」と書く異体字です。 最後は「追而」・・・追って。 「相顯連候ハゝ」・・・相顕れ候はば。あとで分かったら。 「い可様之」・・・如何ようの。どの様な。 「御咎」・・・お咎め。 「被仰付候共」・・・仰せ付けられ候とも。「候」は付の右下斜めの短い線です。 「何等」・・・何も。 「申分」・・・「分」が解りにくい。「旨」と書いているのかも知れません。


第五十九章 漂流外国物語 其の三六九

2017年09月29日 08時43分06秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百三ページ、上の七行目

解読 尚又、於外国切支丹ニ携候儀無之、見も聞茂

読み 尚又、外国に於いて、キリシタンに携わり候儀これ無く、見も聞きも

説明 「於」・・・於いて。難しい崩し方です。 「切支丹」・・・これも読むのは困難。何度も出るので何となく解ります。 「携候儀」・・・難しい。 「無之」・・・これも読めません。