古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十三章・網代黒山松一件御通詞控その十三ニ者

2012年12月08日 07時29分09秒 | 古文書の初歩

乍恐奉願上口上第三ページ、上の画像の七行~八行目

 

解読 ニ者無御座候付、何分ニも早々相片付申度

    奉存候ニ付、乍恐書付を以御断り申上候。以上

 

読み には御座無く候に付き、何分にも早々相片付け申し度

    存じ奉り候に付き、恐れ乍ら書き付けを以てお断り申し上げ候以上

 

解説 最初の二字は薄いですが、「ニ者」・・・(場所)には。 「無御座」・・・下から返って「ござ無く」。・・・「場所ではありません」と言う丁寧語。 「座」の下に「候」が有ります。 最後は消えかかっていますが、「申度」・・・申したく。「相」も「申す」も丁寧に言う接頭語です。「早く片付けたい」という事。 次ぎの行の初めは薄くて読みづらいですが、下から返って「存じ奉り候に付き」。早く片付けたいと思いますので。 「乍恐」・・・読むのは難しい。 次の崩し字は「書」です。形で覚える字。「書付」・・・書いたもの。文書。 「を以」も読みにくいです。「文書で」「文書にして」。 「御断り」・・・ここも薄くて読むのは困難ですが、「断」の次ぎに「り」が有る様に見えます。この場合の「断る」は「辞退」とか「拒絶」とかではなく、「了解を求める」「事情を判ってもらう」と言う意味で使っています。 最後は全く判りませんが「以上」と書いているものと推定しています。