21世紀 脱原発 市民ウォーク in 滋賀

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「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(原発特措法)」原発を推進するための法律である原発措置法が今国会でさらに10年延長されます

2021-02-26 13:32:46 | 記事
《第92回脱原発市民ウォーク・イン・滋賀のご案内》

コロナ禍がまだ続いておりますが、二月の脱原発市民ウォークを2月27日(土)に
おこないます(集合場所はJR膳所駅前広場:午後1時半)。
誰でも自由に参加できます。
まだ寒いなかですがご都合のつく方は足をお運びください。

■■「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(原発特措法)」
■■原発を推進するための法律である原発措置法が
■■今国会でさらに10年延長されます


原発を推進するために、原発の立地自体・周辺地域を振興することを内容とする「電源三法交付金制度」(1974年に制定された「電源開発促進税法」「電源開発促進対策特別会計法」「発電用施設周辺地域整備法」に基づく制度)がすでに存在していますが、この制度に加えて、同じく原発の新増設など原発推進を目的としたいわゆる「原発特別措置法」(原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法:略称「原発特措法」)という法律が2000年4月に制定されています。この特別措置法は時限立法であり、2000年に制定された後、民主党政権下で東電福島原発事故直前の2011年3月に10年延長されたのですが、それから10年後に当たる今年2021年3月、政府・自民党は閣議決定を経てさらにもう一度10年延長するための法案を今国会に提出し成立させようとしています。

この原発特措法は福島第一原発の事故が起きる以前に制定されたものですが、その制定の経過・目的を考えると、さらに延長することが必要であるのか、多分に疑問に思われます。原発特措法の目的・内容について内閣府・原子力政策担当室は以下のように説明しています。

「国は、原子力発電施設等の周辺の地域について、地域の防災に配慮しつつ、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的として「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」 (平成十二年法律第百四十八号)を定めています」。

上記の文面から分るように、原発特措法は明らかに原発推進を目的とした法律です。すでに1970年代に原発を強力に推進するための法律である電源三法が制定されているにもかかわらず、まるで屋上屋を重ねるように、さらに補助金を上乗せして原発を推進するための法律である原発特措法が制定されるに至ったのは、1990年代に高速増殖炉「もんじゅ」のデータ隠しや核燃料製造会社JCO(茨城県東海村)における「臨界事故」の発生など、原発に絡む不祥事が続発したことが引き金になり原発反対の声が高まりを見せ、その結果、三重県の芦浜や新潟県の巻町などでの原発建設計画が相次いで中止に追い込まれることになり、2000年の時点で全国で50基の原発が稼働していたものの、それまでの原発推進の動きに陰りが見え始め、全国の立地地域が原発の新増設に慎重になったことに起因したものでした。このような事態を懸念した原発が立地されている自治体を選挙の地盤とする原発推進派を中心とした自民党の国会議員たちが主導して議員立法により原発特措法が制定されたのです。

その結果、原発立地自体には「電源三法交付金」という立地自治体への財政支援に原発特措法による新たな「財布」が上乗せされたことになり、「立地自治体の首長の反発を防ぐのに有効だった」(経産相OBの話:2021年1月19日朝日新聞)とされています。この特措法は当初から10年の期限があり、その後、福島第一原発で大事故が起きる直前、民主党政権下で期限が2021年3月末までに延長されました。今回の延長は議員立法ではなく、政府はすでに1月29日に、期限を2031年3月末まで延長する改正案とすることを閣議決定しており、今国会に提出するとしています。

しかしながら、2000年には約50基の原発事故が稼働していたものの、福島原発事故後、原発の新増設の流れは止まっており、現行の国のエネルギー基本計画でも「原発は可能な限り低減する」とされており、現に全国で24基もの原発の廃炉が決定されているという現実を考えた場合、このような状況の下で原発をさらに推進するために補助金をかさ上げすることを内容とした、福島事故以前に時限立法により制定された原発特措法を延長する必要はどこにもないのではないかと考えられます。

このようにもはや原発推進のための特措法は必要でないと考えられるものの、このたびの延長は、菅義偉首相が首相就任に際して2050年までの完全脱炭素化実現という方針を掲げたために原発の重要度が高まっているという認識の下に、これまでのような議員立法ではなく政府提案により成立させるとされています。菅首相が脱炭素社会の実現を宣言して以来、経産相の幹部は脱炭素化に向けて、再生可能エネルギーのみによる実現は無理であり、そのため原発を最大限に活用するとたびたび明言しています。このため今後は原発の新増設の声が高まり、次期の国のエネルギー基本計画のなかに原発の新増設が盛り込まれ、そのために今回延長される原発特措法が利用される可能性が存在しているのではないかと危惧されます。

以上に記した理由から、このたびの原発特措法の延長は、脱原発の視点からは有害無益であることは明らかであり、したがって特措法の延長はとうてい容認するわけにはいきません。

2021年2月23日

《脱原発市民ウォーク in 滋賀》呼びかけ人のひとり:池田 進

〒520-0812
大津市木下町17-41 
電話/FAX:077-522-5415
メールアドレス:ssmcatch@nifty.ne.jp

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