肌寒いですが、太宰府天満宮の門前はしだれ桜が満開・・・
緑化事業といえば・・・
幼少の頃に身体の大きなおじさんが
突然うちのあばら家を訪ねて来られて
大きな声でインドでの緑化事業のことを
熱く語っていらっしゃった記憶が蘇ります。
子ども心にうちには不釣り合いな大きなお客さんだと、
ふすま越しにそんなお話を聞きながら思っていました。
おみやげに青地の三角の布に赤い文字で刺繍の入った
台湾から贈られたペナントを置いていかれました。
ぞんざいな扱いをしてしまっていつからか見なくなって
それとともに記憶からも忘れ去られ・・・
その人の名は「杉山龍丸」という人。
父親はかの『ドグラマグラ』の作者「夢野久作」。
政府の後ろ盾など眼中になくインドでの緑化事業に没頭。
とうとう唐原にあった広大な杉山農園を売り払って
難航した緑化事業に投資しつづけた人、だったそうです。
荒れてゆく広大な大地を背負って金策に奔走されていた、
そんな時期での出会いだったのでしょう。
日本社会の未来はバラ色、自然は無限大で使い放題。
「環境破壊」や「継続可能な社会」などという
考えや言葉すらない時代でした。
彼にとってはそこにある危機は
わが身に起こったことにように
感じていらっしゃったのでしょう。
地元の大きな先達のお一人です。
それにしてもなんでうちに来られたのでしょう?・・・
参考;杉山龍丸『砂漠緑化に挑む』葦書房 1984年