2008年8月23日太宰府天満宮余香殿にて行われた
中村旭園先生による「奉納琵琶歌 竈門山」のご解説と演奏について
報告いたします。
事務局による先生のご経歴や今回のご演奏に至った経緯についての説明の後、
中村旭園先生により「奉納琵琶歌 竈門山」が生み出されたいきさつのお話が
ありました。
この歌が出来たのは昭和57年、今から25年ほど前のこと。
宝満二十五坊の末裔である本行院(中村先生とは親戚の間柄)さんから
「1400年ぶりに心蓮上人が行われていた採燈護摩供を行いたいのだけど、
このことを宣伝してくれないだろうか」
と相談されたことがきっかけになりました。私はもともと神様が大好きなので、
竈門の神様にご挨拶する歌を作りたいと考えました。
そこで、友人である俳人・小原青々子先生に歌詞をお願いいたしました。
ところが、小原先生はその時風邪をひいて寝込んでおられたので、
「それでは宝満山に対するお歌を3つください。それを元に歌詞を作って
私が曲をつけましょう。」と提案いたしました。
その言葉を聴いた小原先生は病床から飛び起きて、床の間に掛かっていた掛け軸
を眺められました。
そこには仙さんの宝満山の掛け軸が・・・。
(直感を得られた)先生は一晩で歌詞の骨子を書き上げられました。
このようないきさつで出来上がったこの琵琶歌は、その後25年間
採燈護摩供催行の奉告祭の折に、竈門神社本殿で奉納してきました。
一度だけ、今から15~20年前ですが、
宝満山に登って、上宮でこの琵琶歌を奉納させていただきました。
山伏さん二人に連れて行っていただいたのですが、
宝満山に登るのはこれが最後になるだろうと思い、様々な場所を見ながら
2時間遅れで竈門神社に下りていきました。
その時、この採燈護摩供を残していかなくてはならないと思い立ち、
「記念碑を作りましょう」と提案しました。
「伝統というものは形にして残しておかないと廃れていってしまう。
人というものは簡単にやめてしまおうと思ってしまうから」
その碑は現在、竈門神社下宮礎石群の鳥居側に「宝満山修験道復興の碑」として
建立されています。
この碑の建立式の日に、「竈門山」を奉納したときには不思議なことが
起きました。
歌詞のなかにある「~竃の山は神鳴りの~」の下りを歌ったとき、
にわかに雲が沸き起こり、雷鳴が轟き、豪雨となったのです。
この出来事に感銘を受けたこともあり、この曲は竃門神社に奉納するためだけの
曲として、神前で演奏を重ねて参りました。
このたびは皆様の前で演奏することとなり、神前と同じく意を正して演奏させて
いただきましょう。
琵琶を手に調子を合わせられる中村先生。
手にされている琵琶には漆黒の龍が描かれる。
演奏を始められた時、まさに琵琶の音を寿ぐかのように
天満宮の神苑にだけ、雨音が響いた・・・
つづく
中村旭園先生による「奉納琵琶歌 竈門山」のご解説と演奏について
報告いたします。
事務局による先生のご経歴や今回のご演奏に至った経緯についての説明の後、
中村旭園先生により「奉納琵琶歌 竈門山」が生み出されたいきさつのお話が
ありました。
この歌が出来たのは昭和57年、今から25年ほど前のこと。
宝満二十五坊の末裔である本行院(中村先生とは親戚の間柄)さんから
「1400年ぶりに心蓮上人が行われていた採燈護摩供を行いたいのだけど、
このことを宣伝してくれないだろうか」
と相談されたことがきっかけになりました。私はもともと神様が大好きなので、
竈門の神様にご挨拶する歌を作りたいと考えました。
そこで、友人である俳人・小原青々子先生に歌詞をお願いいたしました。
ところが、小原先生はその時風邪をひいて寝込んでおられたので、
「それでは宝満山に対するお歌を3つください。それを元に歌詞を作って
私が曲をつけましょう。」と提案いたしました。
その言葉を聴いた小原先生は病床から飛び起きて、床の間に掛かっていた掛け軸
を眺められました。
そこには仙さんの宝満山の掛け軸が・・・。
(直感を得られた)先生は一晩で歌詞の骨子を書き上げられました。
このようないきさつで出来上がったこの琵琶歌は、その後25年間
採燈護摩供催行の奉告祭の折に、竈門神社本殿で奉納してきました。
一度だけ、今から15~20年前ですが、
宝満山に登って、上宮でこの琵琶歌を奉納させていただきました。
山伏さん二人に連れて行っていただいたのですが、
宝満山に登るのはこれが最後になるだろうと思い、様々な場所を見ながら
2時間遅れで竈門神社に下りていきました。
その時、この採燈護摩供を残していかなくてはならないと思い立ち、
「記念碑を作りましょう」と提案しました。
「伝統というものは形にして残しておかないと廃れていってしまう。
人というものは簡単にやめてしまおうと思ってしまうから」
その碑は現在、竈門神社下宮礎石群の鳥居側に「宝満山修験道復興の碑」として
建立されています。
この碑の建立式の日に、「竈門山」を奉納したときには不思議なことが
起きました。
歌詞のなかにある「~竃の山は神鳴りの~」の下りを歌ったとき、
にわかに雲が沸き起こり、雷鳴が轟き、豪雨となったのです。
この出来事に感銘を受けたこともあり、この曲は竃門神社に奉納するためだけの
曲として、神前で演奏を重ねて参りました。
このたびは皆様の前で演奏することとなり、神前と同じく意を正して演奏させて
いただきましょう。
琵琶を手に調子を合わせられる中村先生。
手にされている琵琶には漆黒の龍が描かれる。
演奏を始められた時、まさに琵琶の音を寿ぐかのように
天満宮の神苑にだけ、雨音が響いた・・・
つづく