宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

山の図書館「山の文化祭」

2009-05-31 | Weblog
去る5月30日(土)に天満宮参道にある
太宰府館のまほろばホール(3階)で
九州登山情報センター「山の図書館」主催の
「山の文化祭」が行われちょっと行ってきました。
(http://www.geocities.jp/yamano_tosyokan/)

手作り感たっぷりのアットホームな会場づくりで、
パネル展では「ヒマラヤの山と人」などをテーマに
すばらしい内外の山岳の写真がならび、
会場のブースでは1961年から2008年までの
山の報道記事の新聞スクラップブックや

山の関係図書が販売され盛況でした。

スクリーンでは本会会友末永さんのビデオ作品
「霊山 宝満山」や映画「剣岳 点の記」の
撮影ダイジェスト版の迫力の映像が流され
内容の濃いイベントになっていました。
でも、そんなことそっちのけで久々に
会った山仲間ににこにこしながら談笑する
会の方々がとても印象的でした。

宝満山の大護摩供1

2009-05-31 | Weblog

今年も宝満で宝満修験会の大護摩供が催行されました。
復興されて28回目になるそうです。

明治の神仏分離令、修験道廃止令によって
この山で絶えた火が時を越えて今日もまた
多くの人々の祈りとともに神と出会い
煙となり、炎となり山に登っていきました。


事前の神事では昨年の本会での例会で
その演奏をご披露いただいた
筑前琵琶の総帥である中村旭園さんの
九十年という年月に裏打ちされた
「竈門山」が粛々と社殿で奉納され
竈門の神に行事の開始が報告されます。


そして竈門の神から分け与えられた神火が
結界で守られた護摩壇の前に据えられた
祭壇に神官から行者に渡されて
いよいよ行事の開始です。

あすは宝満山での護摩と火渡り

2009-05-30 | Weblog

明日の平成21年5月31日(日)は午前10時30分より
竈門神社境内において宝満山修験会による
「大護摩供」がおこなわれます。
午前10時30分より神殿で奉納の祝詞が上げられ
中村旭園氏による筑前琵琶「竈門山」の奉納があり、
社殿の前に設えられた護摩壇に火が入り・・・
・・・詳細は竈門神社ホームページ
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/kamado/events.htm#goma
および、昨年のブログ記事2008-05-25をごらんください。

宝満山の峰入り6

2009-05-26 | Weblog

大先達は真言を唱えながら
乳木を新客の数に合わせて数え
次々と護摩炉に投じます。
その度に新たな炎が窟内を
ことさらに明るく照らし出します。

潅頂が終わると新客たちは
先達から声をかけられて
煙の立ち込める窟内の空気の中を
沁みて涙を流す目を凝らしながら
両手を組む一つの印を授かります。

そうして先達は箱の中から大切そうに
小さな塊を一つ一つ各自結んだ印の中央に
「落とさないように」と言いながら置いていきます。
儀式の説明がなされるわけでなく
まして暗闇の煙った中でのこと。
なにが授けられたやら・・・
「これはお山とあなたをつなぐ大事なものです」
「できれば肌身に離さず持っておかれたらよいでしょう」
「もうあなた方はこのお山とご縁ができました」
それは黒い小さな斑を持つすこしごつごつした
花崗岩の直径1センチに満たない小礫でした。
まさに山の一部。
修験道は大地とともに生きるための宗教でした。

これで長くも短い今年の宝満の峰入りは終了しました。

宝満山の峰入り5

2009-05-25 | Weblog

湿った窟内では闇の中でおもむろに読経が始まり、
いよいよ入山潅頂の儀式の始まりです。
掌に載るほどの大きさに組み上げられた護摩壇に
大先達が火を入れた刹那にすえたカビ臭い空間は消え
ヒノキの枝が燻ぶる香にも似た独特の香りに包まれ
まさにイニシエーションの場に一変します。
しかし、それも束の間。いたたまれないほどの煙が
窟内に充満して目からは涙、喉はむせてまさに苦行の体。

般若心経の読経と真言の唱和がおこなわれて、
一行は先達から頭を低くして拝むように促されます。
そうして銀のカップ状の容器に入れられた聖水が
小さな柄杓で順に頭に注がれました。
古代インドの王の即位式の所作が再現されます。
長い時間を経ての儀礼の継承に少し感動しつつ。

久山町中世山岳寺院跡「首羅山(白山)遺跡」の一般公開

2009-05-24 | Weblog

久山町「首羅山遺跡」一般公開
申込み不要です

概要
 久山町にある首羅山遺跡。平成21年2月から本谷地区で発掘調査を実施しました。
発掘調査地点と、山頂にある薩摩塔、宋風獅子を公開、現地で職員が解説します。

開催期間
2009年5月30日土曜日

開催時間

午前10時に集合場所(白山神社)を出発します。

・少雨決行(雨天中止)
・公開地点までは徒歩で約45分です。
・途中、足元の悪い所、傾斜が急なところがあります。軽登山の準備をしておいでください。

開催場所
公開場所:本谷基壇部(発掘調査地点)
      山頂部(薩摩塔、宋風獅子)

集合場所:白山神社境内(久山町大字久原)

連絡先:久山町教育委員会 (092)976-1111

交通手段
JRバス「山の神バス停」下車 徒歩3分
県道福岡直方線「山の神交差点」近く

近くに臨時駐車場を設けますが数に限りがあります。
できるだけ、公共交通機関をご利用ください。

http://www.k.pref.fukuoka.jp/e04/gensetsu01.htmlより

宝満山の峰入り4

2009-05-24 | Weblog

今回の峰入りでは特別なことが一つ。
通常おこなわれている「入山潅頂」の儀式が
旧に復されて大南窟でおこなわれることに。
山頂から降りた一行は中宮、愛嶽道を辿って
奈良時代からの山中での聖地へ。
窟では大先達の本業院さんがすでに
イニシエーションの場の準備をしてお待ちでした。


到着した一行は手早く枝を集めて着座の場に敷きます。
聖水はしかるべき場所でくみ取ったものを
手持ちのタンクに入れて持参しておられました。


窟内の大石の前に紫の房を付けた大先達が、
その前に香炉?と井桁に組まれた小さな護摩壇
その上にヒノキの葉が重ねて置いてあります。
他の先達たちはコ字を描くように左右に着座して、
そうして新客として入山した者が呼ばれ、
大先達の正面に着座していよいよ儀式の始まりです。

山の図書館文化祭

2009-05-18 | Weblog

http://www.geocities.jp/yamano_tosyokan/より

太宰府市大字内山の竈門神社東側にある
九州登山情報センター「山の図書館」さんでは、
発足5周年を迎え、定期総会と「山の文化祭」を
来る5月30日(土)に天満宮参道にある
太宰府館のまほろばホール(太宰府市宰府)で
開催されるそうです。
 その中で、本会会友末永さんのビデオ作品
「霊山 宝満山」の放映があります。
峰入りや六所宝塔の調査記録など
ここ数年の宝満山の貴重画像が
一挙放映、といったところでしょうか?
楽しみな企画です。

【参考】
山の図書館HP
http://www.geocities.jp/yamano_tosyokan/

宝満山の峰入3

2009-05-15 | Weblog

一行は元宝満から三郡縦走路を伝い、
鎖場を経てから宝満山の山頂の竈門神社上宮へ。
ここで入峰の報告祈願を無事おこないました。


山頂に般若心経がひびき渡り
神仏混交の山であったことを思い出させる瞬間です。
ここで一連の峰入り行事は終了です。
ほとんどの一般参加者はここで下山します。

追伸・・・昨日TNCテレビ西日本さんのスーパーニュースで
     宝塔院跡と下宮礎石群のニュースが流れました。
     ご覧になったの方のご感想をお待ちしております。

宝満山の峰入り2

2009-05-12 | Weblog
昼食後に一行はキャンプセンターを出て
水場を経由して「元宝満」と呼ばれる
仏頂山にある宝満の開祖心蓮上人を祭る
石の宝殿において回向を弔う儀式を行いました。


ここで一般の参加者に竈門神社神職から
峰入証の引き換え札が配布されました。


それから尾根伝いの三郡縦走路を経由して
最大の難所である「鎖場」へ。

行者さんの体が重そうです・・・


昨年から参加している九大大学院の留学生で
イタリア人女性のロベルタ・ティベリさんも
今回は装束を揃えて一行の中に姿がありました。
西日本新聞さんにも紹介されているようです。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/94603