先日の「東日本大震災追悼法要と朗読劇」では、2日前のリハーサル時、「聞いてくださる方々との距離が離れていますし、皆さんもマスクをしたままでは辛いでしょう」とお寺側から言ってくださり、ノーマスクでの上演となった。
ノーマスクでステージに立つ…瞬間、全員が良かったぁと思ったが、いざ当日になると顔を晒すのは3年ぶりのことに、どうにも気恥ずかしさが勝り、「え~~、どうしよう!」、「恥ずかしいからマスクしようよ」とか、「口紅つけなくちゃ」「古いファンデーションしかない」とか、揃って慌てだした。
この3年間、化粧も気にせず、顔の3分の2を覆って過ごしてきたわけだから、たとえ老人と区分けされる年齢になっていても、いや、なっているからこそかな? 「それなりに」よりも、「より爽やかに」「より健やかに」見せたい思いは強かったから。
しかし、音楽が流れ朗読劇がスタートすると、そんな躊躇は瞬時に吹っ飛び、それぞれの役割に入り込んでいった。
じゃ私は?
この演目「風のでんわ」では、役の割り振りはなく、グループ会長として最初と最後の挨拶、そして頻繁に使われる音楽操作の担当した。
既に削除されたYouTubeでは、緊張から引きつった顔での挨拶の様子が映っていた。
今月いっぱいで会長任務が終わる私にとって、この日の挨拶は最後だった。もう少しスマートに喋れたら良かったのに…。
ま、そんなのはいっかぁ!
朗読劇スタート1冊目の本として、今では我々グループの代表作となっている「風のでんわ」。
8年前、朗読を引き立てるための音楽を、夥しい数の手持ちのCDの中からセレクトし、重要な音となる「山の上に置かれた1台の電話の音」を探し回った日々が蘇る。
これからの上演時も、この本については隅っこの方で音楽を操作することになるだろうが、思い入れがある本だけに、新会長のもと、ずっと頑張っていけたら嬉しいな。