如意樹の木陰

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生物と無生物のあいだ

2007-07-22 21:38:47 | Weblog
先週読んでいた「生物と無生物のあいだ」は、大変おもしろい本だった。
内容は、現代分子生物学を作り上げてきた科学者たちの物語、その光と影。発見にまつわるエピソード。
「生物とはなにか?」についての、分子生物学からのひとつの答えのようなもの。

その前に読んだ「はじめての超ひも理論」は教科書としても使えるような内容に感じられたが、この「生物と無生物のあいだ」は科学者の人間模様や著者の実際の体験がたくさん盛り込まれていて、講義の合い間の雑談のようなもの。
別の見方をすれば、「はじめての超ひも理論」は、無味乾燥だが明るいイメージがある。
「生物と無生物のあいだ」は、科学者の悲哀とか、発見競争の厳しさとか、実験動物に対する後ろめたさとか、そういった背景を色濃く感じてしまう。

それにしても、こういった最先端科学は何をめざしているのか?
基礎科学とはいえ、膨大な研究費用を消費するからには、費用を出す側になんらかのメリットがなければならないはずだが・・・

また、このような科学に十分な倫理的歯止めがかけられているのか心配になる。
それに、実験においては想定外の結果が出ることは、当たり前である。
最終的には法律による規制なのだが、先端技術についての立法はどうしても後追いになる傾向があるだろう。
さらに、法に触れなければよいという考えが世間にあることも事実だと思う。

人間はいったいどこへ行こうとしているんだろうと、思うのです。
遺伝子組み換えによる農作物ですら不安なのだが・・・

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