如意樹の木陰

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2024年に再開しました。

公職選挙法における運動買収(インターネット利用の場合)

2024-11-23 22:15:04 | Weblog

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《 公職選挙法における運動買収(インターネット利用の場合)について  総務省のページから 》

1 買収罪の適用
 インターネットを利用した選挙運動を行った者に、その選挙運動の対価として報酬を支払った場合には買収罪の適用があります。
<買収罪>
 当選を得又は得しめる目的をもって選挙運動者に対して金銭等の供与をした者等は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処することとされています(公職選挙法第221条第1項)。
<連座制>
 買収罪の刑に処せられた者が、総括主宰者、出納責任者、地域主宰者、親族、秘書又は組織的選挙運動管理者等に当たることが連座裁判等により確定した場合(親族、秘書及び組織的選挙運動管理者等については禁錮刑以上の場合のみ)には、公職の候補者本人に連座制が適用され、当選無効や立候補制限が課せられることとなります(公職選挙法第251条の2及び第251条の3)。

(参考) 選挙運動用ウェブサイトや選挙運動用電子メールの企画立案を行う業者への報酬の支払いが行われた場合: 一般論としては、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払いは買収となるおそれが高いと考えられます。

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斎藤知事に関連して、公職選挙法違反の疑惑が取り沙汰されているようなので、基本的なところを確認してみました。
要は選挙運動(某ブログでは「公報のお仕事」と言っています)をしたPR会社または個人に報酬が支払われたかどうかということだろうと思います。もちろん写真撮影など選挙運動そのものではない事柄についての費用の支払いは問題ありません。
選挙運動に対しての報酬の受け渡しで問題になるのは(斎藤⇒PR会社)または(斎藤⇒PR会社の代表取締役)、このほかに(PR会社⇒「広報のお仕事」の業務に携わったPR会社の従業員)も該当する可能性があります。
選挙の買収についてはかなり厳格なはずですから、もし捜査するに足る証拠があれば、必ず捜査が入るはずです。

しかし、もしPR会社の従業員が、斎藤氏の当選を願って支援するために、業務としてではなくボランティアで、つまり無報酬・無給で「広報のお仕事」を行なったのであれば、問題ありません。もっと具体的に言えば、会社から有休休暇を取って、従業員としてではなく斎藤氏を支援する個人として「広報の仕事」をするということです。その場合でも、会社の社屋内で会社の設備を使ってあたかも業務をするように継続して選挙運動をしたのであれば、やはり問題が発生しそうではあります。

《 追記1 》 政治資金規正法第21条1項により「会社などの団体から、政治家個人に対する寄付をすることはできません」。

したがって、もしPR会社が会社として斎藤氏個人のために無報酬で選挙運動を行ったのであれば、政治資金規正法違反になる可能性があります。この場合寄付した側に罰則があるようです。
法律はむずかしいですね。

《 追記2 》 公職選挙法第199条1項[衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。]
したがって、もしそのPR会社が県からなんらかの仕事を請負っているなら、今回の県知事選挙に関して寄付はできないことになります。
また、PR会社の代表の方は、兵庫県の地方創生戦略委員、eスポーツ検討会委員、空飛ぶクルマ会議検討委員など(11月25日スポニチ)もしているようですが、こういった「委員としてのお仕事」もこの法令の対象になるのでしょうかね。


ということですが、事実関係がまだはっきりしていませんので、検討はこのくらいにしておきます。しばらく推移を見ましょう。

《 追記3 》 この件について12月2日に郷原弁護士と上脇教授が告訴状を提出したそうです。
しかし、71万円だけであればは、ポスター制作などの法的に認められた範囲の金額らしいです。
SNSの運用や動画のアップなどにボランテアで社長がかかわったとしても、無償の選挙応援であれば問題ないのでしょう。
問題があるとすれば、PR会社の従業員がSNSなどを使った応援にどの程度かかわり、それに対して給与が支払われたかどうか、ということです。しかし、それについてもボランテアの社長が従業員に仕事をさせたのであれば、公職選挙法違反になったとしても斎藤氏までは届かないように思います。
社長としても、これほど炎上するとは思っていなかったのでしょうが、これで一気に知名度を高めたわけで、今後の「お仕事」にプラスに働くかもしれません。
社長がこういったことを表に出してくれなかったら、SNSの影響が大きかったらしいという以上には具体的にはわからなかったわけです。これが公表されたことで、これからの選挙運動の方法にある程度の影響が出るでしょう。
ただし、今回の例はかなり特殊でして、斎藤氏については選挙前からいろいろな意味で注目が集まっており、それに加えて立花氏による外部からの過激?なサポートがありました。これにボランティアによるSNSの運用が加わって素晴らしい効果が得られたようで、ほとんど注目を浴びたことのない無名な人の場合、選挙のかなり前からSNSで地道に活動してフォロワーを増やしていかないと、目に見えるほどの効果は得られないと思います。

《 追記4 》 やり直しになったというルーマニアの大統領選挙の記事を読むと、選挙前に『
「外国国家」作成のTikTokアカウントが活性化』ということがあったようです。どのような操作をしてそうなったのかわかりませんが、多くの人が普段から使っているSNSの中で特定の事柄を外国国家が人為的に盛り上げることで、大統領選挙の結果にすら大きな影響を及ぼすことができると、ルーマニアの裁判所が認めたようです。裁判所はやり直しをする理由として『特定候補がSNSで特別な扱いを受けた』を理由に挙げているそうですが、これがルーマニアの法令に違反する行為なのかどうか、私にはわかりません。たぶん裁判所は何か明確な法令違反があったと認めたのでしょうね。ただし、それほどの違反であれば当然逮捕者が出なければいけないはずですが、ルーマニア国内でこの件の逮捕者が出ないのであれば、ロッシャの「お仕事」だったということでしょうか。

そういえば、BOTアカウントというのがあります。BOTというのはロボットのことで、自動で応答するようなロボットのアカウントを数百~数千作って、「いいね」を増やすことなどができるらしいです。BOTアカウントもAIの技術を使えば、SNS上ではまるで普通の人間のように振舞えるのかもしれません。

私もそうですが多くの人が、新聞やテレビのニュースは情報のすべてを漏らさずに市民に伝えているわけではないと、感じています。
政府に配慮したり、スポンサーに配慮したり、訴訟にならないように配慮したりで、その結果としてどの報道機関も似たような(いくぶん片手落ちともいえる)報道をしてしまっているのです。
そういう不足感を埋めてくれるのが、たぶんYouTubeやSNSからの情報なのだと思います。こちらの情報には、不確かな情報がたくさん混じっている可能性もありますが、新聞やテレビとは違った視点から見た世界を伝えています。
そういったいろいろな情報に接して、その中でどの情報が重要で、本質に迫るものなのか、よく考えてみることです。
なお、人を貶めるような情報ばかり発信している人は避けた方がよいのは言うまでもありません。


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