暴かれた闇の支配者の正体⑥アメリカのオカルト勢力と親イスラエル
暴かれた[闇の支配者]の正体 ベンジャミン・フルフォード 2007年4月刊
- 世界を牛耳る支配の構図
アメリカ人も今のアメリカにはうんざり
アメリカ政府の裏で糸を引いている「闇の権力」はどのようにアメリカを支配しているのか。
2006年11月のアメリカ中間選挙では民主党が勝利しブッシュ政権は死に体になった。その根底には、特定の金持ちや巨大資本ばかりがぼろ儲けして、国民の大部分が貧しいという現実がある。
19世紀後半なみの格差社会に戻りつつある。この格差拡大は、大資本を中心とした「闇の権力が」誘導した政策の結果である。
アメリカは史上空前の格差社会
世界一の売り上げを誇るスーパー「ウォルマート」の店員ですら、休みなく働いても社会保障を受けなければ生活できない状態だ。
会社社長と平社員の給料平均額の差は400倍。会社員の年収が500万円だとすると社長の年収は20億円ということになる。19世紀末の水準に戻っており、当時のニューヨークではごく一部の金持ちが豊かな暮らしをエンジョイし、最下層の貧乏人は犬や猫と一緒に街頭のゴミを漁って食べていたという。それからは富の平等が進み、1960年代には社長の給料平均額は平社員の20倍程度に下がった。
ところが、今は5%の金持ちに6割の富が集中する一方、男性労働者の給与水準は1973年をピークに下がり続けている。
レーガン政権の新自由主義がこれに拍車をかけた。一握りの実業家たちは「ゲートシティ」で警備員に守られながら大豪邸での生活を楽しんでいる。
共和党の政策は「小さな政府」である。市場のことは市場で、民間にできることは民間で。政府が行うべき公共サービスや福祉は次々に縮減・廃止。企業や金持ちには大幅減税。巨額な軍事費をつぎ込む。アメリカには国民健康保険が存在していない。医療を受けるためには民間の保険に入るしかない。カネがない多くの国民は病院に行けず、病死するケースも多い。アメリカの巨大保険会社は外国政府と交渉できるパワーがある。
共和党のオカルト志向に反旗を翻す支持者たち
ブッシュ政権の支持母体であるキリスト教原理主義勢力に嫌気がさした面がある。
彼らは、聖書に書いてあることがすべて真実だと考えている。人間はサルから進化したわけがない、と進化論を否定する。女は男のあばら骨から生まれたと信じている。妊娠中絶・離婚・ゲイ同士の結婚に反対。
彼らが待ち望んでいるのが、「世界の終わり」だ。聖書の記述をオカルト的に解釈し、イスラエルがナイル川からユーフラテス川の間の土地を占領したときに世界が終わる。そのときに、キリストが再臨して自分たちと同じ信仰を持つ仲間だけを救済し、選ばれた者だけの新時代が始まると信じている。
したがって、アメリカとイスラエルの利益を同一のものともみなし、アラブ諸国への侵略行為を正当化する。
政権中枢を握る親イスラエル勢力
チェイニー、ラムズフェルド、ボルトン、ウォルフォウィッツなどネオコン(新保守主義)思想の政治家たち。民主主義を中東に輸出するという大義名分のもと、イラク戦争などを推進した。
親イスラエル勢力の組織は「アメリカ=イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)という。
異常に手厚いイスラエル支援の要因として、AIPACなどのイスラエル・ロビーが行政・議会に対して仕掛けている強力な工作活動だ。議員への報酬で報いる。かつて民主党の大統領選挙資金の60%はイスラエル・ロビーが準備したカネだったことがあるという。
その一方、親アラブ的発言をする政治家や言論人は制裁し、1984年にパーシー上院外交委員長はネガティブ・キャンペーンを展開されて落選した。
これはユダヤ人問題ではない
ユダヤ人差別や反ユダヤ主義だという批判は当たらない。アメリカの親イスラエル勢力の多くは熱心なキリスト教徒で、ユダヤ人のほとんどはイスラエル・ロビーと関係がない。
欧米人も、イスラエル批判とユダヤ人差別を結びつけるようにインプットされている・
ユダヤ人差別がカモフラージュに使われている可能性が高い。ユダヤ人でも何でもない連中が「イスラエル批判といえばユダヤ人差別」というイメージを作り出し、タブーにしている。親イスラエル勢力がやろうとしていることに触れさせないためだ。