
ニジンスキーの再来と言われた天才ダンサー ユーリ・ソロヴィヨフ
「飛ぶ」と言うより「浮いている」と言う方が当たっている程のジャンプ力
私が中学生の時に来日したレニングラードバレエの「眠りの森の美女」で青い鳥を踊った
ソロヴィヨフさんは、踊る前に、登場してきただけで、皆の視線を集める人でした。
思わず目が吸い付いてしまう、と言う感じです。ジャンプしている間、観客はみんな顔は上を向き、彼が着地すると普通の位置に顔が戻る、と言う現象を生で見ました。
動画では分からない、時空を超越した様な、時間が止まる感覚を初めて体験しました。
優れた芸術家には、科学では絶対に説明出来ない世界を作り出す力が有る様です。
ユーリ・ソロヴィヨフの「海賊」
Yuri Soloviev - "Le Corsaire"
前に載せた記事

☟この記事の中に「ドン・キホーテ」のバジルを踊るギオルギー・ポツヒシヴィリ
の動画が有ります。物凄いジャンプ力とスピンや着地の安定感が半端ないです。
私は最初、ソロヴィヨフかと思いました。
友人たちよ、私はしばしばソーシャルメディアを非難する一方で、敬意を表さずにはいられないのだ。インターネットは、私たちにどんな素晴らしい発見を与えてくれるのだろう...。
このビデオに偶然出会い、ページを開き、知らないダンサーの作品に触れました。
ギオルギー・ポツヒシヴィリは、オランダ国立バレエ団の非常に優秀なアーティストです。そして、私が絶対的に唖然としたのは、彼がグルジア系であることだ。
(注:ツィスカリーゼ先生もグルジア系、それでボリショイに採用しないと言われたが、ボリショイ劇場のお偉いさん=名前は分からない=の一存で入団した経緯がある、世の中には差別が有る)
ダンサ一一家に生まれ、幼少期からグルジアのダンスに打ち込み、13歳でトビリシのチャブキアーニ振付学校に入学した。13歳でトビリシ国立振付学校(V.Chabukiani Tbilisi)に入学。2020年、オランダ国立バレエ団のカンパニーに参加。
映像では、「ドン・キホーテ」の格別な演技の様子をご覧いただけます。才能、芸術性、能力に、本当に圧倒されました。
アーティストとして、そしてまず教師として語る! こんなに美しく、技術的で、感情的で、そして何よりも音楽的な英雄的なダンサーがこの世に現れたことを嬉しく思っています。
王子の存在を知った - Mikhail BARKIJIJA
そして、真のヒーロー、ギオルギー・ポツヒシヴィリがいる。
ニコライ・ツィスカリーゼ
Mikhail BARKIJIJA =the 18-Year-Old American
ロシアのマリインスキー・バレエで踊る18歳のアメリカ人、ミハイル・バーキッジャ
こちらは王子役に相応しい若手ダンサー(王子役をダンスールノーブルと言い、長身でないと選ばれない。)因みにツィスカリーゼ先生48歳は183cmで、あの年代ではとても大きかったけど、若い世代では190越えの人も居る。
Michael Barkidjija (second from left) in rehearsal with Nikolai Tsiskaridze, principal of the Vaganova Academy.
ヴァガノワ・アカデミー校長のニコライ・ツィスカリ―ゼとリハーサル中のミハイル・バーキッジャ(左から2人目)。
Nikolai Tsiskaridze / Anzhelina Vorontsova - The Nutcracker - BT
クリスマスの風物詩
バレエでは毎年、チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」が上演される。
現役のダンサーの動画も何本か観たけど、誰もツィスカリーゼさんには勝てない。
ツィスカリーゼさんは、私に言わせると「プリマ殺し」で、プリマよりも美しく踊ってしまう、稀有なダンスールノーブルである。
運動能力は男性の中でもトップクラスで、ジャンプも高いし空中ストップするし、回転技も物凄い。
その上、身体が非常に柔らかいので、足を180度=水平に開いてジャンプするし、更に着地がとっても優雅
腕も足も美しく、どこまでも美しさが付いて回る踊り。
くるみ割り人形の登場の場面で、倒れていたところから起き上がって、顔を覆っていた両手を外して、顔を見せるだけで湧き起こる拍手
どんだけ観衆を魅了しているの
そして、美しいだけではなく力持ちだから、プリマを恐ろしい様な姿勢でリフトする場面があるのだけど、あれは、日本男性なら多分出来ないと思う。
私が16歳までバレエをやっていたバレエ団の先生の息子さんが、後にバレエ協会の理事長に成ったのだけど、その彼が当時、50年以上前に、ロシア人ダンサーの力の強さと手の大きさに驚いていて
「ウェストを片手だけで掴んで支えるんだよなぁ💦あんな事は出来ないよ・・・」
と言っていた。
外人の筋力は強いからねぇ、ま、私の筋力は外人並みなんだけど
ベルカントが出来るのも、その筋力のお蔭。
背筋力が120kg有って、当時の日本男子の平均が130kg、バレーボールの当時のエース・アタッカー横山樹里の背筋力が140kgだった。
前に、このプリマバレリーナ、ボロンツォワが「眠れる森の美女」をやる事に成った時に、数名の男性舞踊手と彼女がツィスカリーゼ先生のレッスンを受けている動画も見たのだけど、4人の王子相手にオーロラ姫がトゥで「アティテュード・エファセ・デリエール」したまま、次々と4人の王子が入れ替わって、かなりの長時間一人でバランスを取らなければならない振り付けの所が上手く行かなくて、そこを男性である先生が、お手本を見せていたのを見て仰天
男性舞踊手が、プリマドンナよりも「オーロラ姫」を美しく、テクニック的にも上回る踊りを見せるとは
これはルール違反でしょう
もう、何なのこのダンスールノーブルは
と言う訳で、クリスマスには是非ご覧ください、今まで画質の悪い動画ばかりでしたが、これは画質が良くて見やすいです。
美しいバレエを観て、気分はすっかり良く成りました。
やっぱり芸術は偉大です。