槇尾川を歩いた時に、
最後は桑原町の中も歩いてみた。
お寺などの旧跡はいわれなんかも
しっかりしていたのだが、
やはり村中の細かいところまで
なんかはさっぱりわからない。
例えば、なぜ丸い石を大量に詰みあげた
地蔵さんがあったりするのか。
何かいわれがあるんやろなあ。
その辺のことは、近辺の人に
聞いてみるのが効果的でいいのだろうが、
平日昼間の村中なんて
ほとんど人の姿もないから
とってもむつかしいのだ。
で、その時にふと思い当たったのが、
この桑原町の近くにある
おばあちゃんの故郷である黒鳥町のことだ。
桑原町の少し北にあり、
信太山のふもとにある黒鳥町。
ここには忠霊塔があったり、
昔は防空壕のような
横穴があったりしたところで、
いまは近くに陸上自衛隊の基地も
その近くにあったりするから、
なんとなく近寄りがたい
印象があったところだ。
また自分の記憶をたどれば、
子どもの頃に、祖母のふるさと
ということで両親につれられて、
訪ねて行ったようなかすかな記憶があるが、
もう全く場所も印象も全く残っておらず、
何となく数人の人と少し話した記憶が
かろうじて残っているくらい。
なぜか親戚づきあいは、
理由はしらないが、こことは薄かったなあ。
とはいえ、近所だし自分のルーツの一部も
関連しているところなので、
それとなく気にはかかっている
場所なのである。
又、公園の帰りに少しだけ
通った時に、そんな丸い石の地蔵が
あったような気がするのだ。
そんな記憶が、桑原から黒鳥に
意識を通わせたのかもしれない。
ほかにも黒鳥で残っている手がかりは、
我が家に残っている過去帳に書かれた
おばあちゃんの苗字と、
おやじが生前に
「おばあちゃんの家はこの通りを
入ったところやで」といってた
言葉くらいかな。
あとは、和泉市の図書館の中にあり、
以前借りてパラっと見ていた
「黒鳥郷土史」くらいかな。
これがまたとても分厚いもので、
地域のことがよくわからん人間にとっては、
なかなか中身が頭に入ってこない。
また以前の職場でそこ出身の人が
一人いたのだが、たぶん人に聞いた話では
もう亡くなられているようだから、
話の手がかりもほとんどない
という感じだ。
なんかもうあやふやな感じでしか
ないわけなのだが、
でも一度ゆっくり歩いてみれば、
また何かわかるかもしれないという
考えにいたり今回の散歩地となったのだ。
歩くコースを考えようと、
地図を開いてみると、
なんか黒鳥町は丸い道に囲まれた
限られた地域になっている。
昔、村をきちんと固めて、
他からの攻撃に備えたというような
性格を持っていたのかもしれない。
あの竹ノ内街道の竹内環濠集落や
大和郡山の稗田環濠集落なんかと
よく似た過去があったりするかも
しれないなあ。
そもそも「黒鳥」という地名は
「黒」という狭く曲がったところで
「鳥」は鳥居で、狭く曲がって
山に入っていくところというような
意味があったともいわれている。
昔から人々が、入り組んで
多く暮らしていた場所
というイメージが強いそうだ。
そんな、一か所にきっちりと
まとまったところのようだ。
何となく入ってうろうろしにくいなあ
という感じもあるのだが、
まあミセスと2人で歩いてみようと、
地図を見ながらこんな風に
歩こうと概略を計画し、
突入することにしたのだ。
現場までは車で行く。
駐車するのは黒鳥山公園の駐車場だ。
以前花見を兼ねて訪ねてきたときも
止めていたところだ。
信太山の自衛隊の横を走り、
黒鳥町の外周道路になっている道を
南下していくと駐車場が現れる。
結構車が止まっていたなあ。
公園を見上げると小さな子供を
連れた家族なんかも多く利用しているようだ。
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