京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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視点の変化を使ったマジック

2019-04-25 09:40:43 | 日記
視点の変化を使ったマジック
            金澤 ひろあき
 芥川龍之介の『羅生門』を、高校1年生の授業でやっています。この小説では、何回も視点(見ている位置)が変化します。大きくは2つ。
 1つは「作者」と名乗る語り手がから見ているシーンです。主人公の下人の心情を冷静に分析している箇所です。例えば、平安時代の人の心理を「サンチマンタリスム」などとフランス語で分析するところなどです。
 もう1つは、主人公「下人」の目から見た光景です。羅生門の上で老婆を見るシーンなどで使われています。
 「視点の変化」は映画やテレビドラマなどでも効果的に使われています。カメラ位置を変えることで、さまざまな視点から見て、多くのイメージが作れるわけです。
 また、カメラを複数使うことでできるマジックがあります。「大型旅客機を消す」というマジックです。
 まず飛行場に大型旅客機がとまっています。次にそのまわりを何枚かの板で囲い、大型旅客機が見えない状態にします。マジシャンがマジックをかけた後、まわりの板を外して行くと、大型旅客機が消えているというマジックです。
 これは、カメラ2台を使うと簡単にできます。大型旅客機を囲うシーンまでを1台目で撮ります。2台目のカメラは、もう1カ所、似たような場所で、大型旅客機なしで同じ板を同じように立てておくのです。つまり撮影現場が2カ所あるのです。1つは大型旅客機ありの現場。もう1つは大型旅客機なしの現場。マジックの前半は前者を撮し、後半は後者を撮すというわけですね。