視点の変化を使ったマジック
金澤 ひろあき
芥川龍之介の『羅生門』を、高校1年生の授業でやっています。この小説では、何回も視点(見ている位置)が変化します。大きくは2つ。
1つは「作者」と名乗る語り手がから見ているシーンです。主人公の下人の心情を冷静に分析している箇所です。例えば、平安時代の人の心理を「サンチマンタリスム」などとフランス語で分析するところなどです。
もう1つは、主人公「下人」の目から見た光景です。羅生門の上で老婆を見るシーンなどで使われています。
「視点の変化」は映画やテレビドラマなどでも効果的に使われています。カメラ位置を変えることで、さまざまな視点から見て、多くのイメージが作れるわけです。
また、カメラを複数使うことでできるマジックがあります。「大型旅客機を消す」というマジックです。
まず飛行場に大型旅客機がとまっています。次にそのまわりを何枚かの板で囲い、大型旅客機が見えない状態にします。マジシャンがマジックをかけた後、まわりの板を外して行くと、大型旅客機が消えているというマジックです。
これは、カメラ2台を使うと簡単にできます。大型旅客機を囲うシーンまでを1台目で撮ります。2台目のカメラは、もう1カ所、似たような場所で、大型旅客機なしで同じ板を同じように立てておくのです。つまり撮影現場が2カ所あるのです。1つは大型旅客機ありの現場。もう1つは大型旅客機なしの現場。マジックの前半は前者を撮し、後半は後者を撮すというわけですね。
金澤 ひろあき
芥川龍之介の『羅生門』を、高校1年生の授業でやっています。この小説では、何回も視点(見ている位置)が変化します。大きくは2つ。
1つは「作者」と名乗る語り手がから見ているシーンです。主人公の下人の心情を冷静に分析している箇所です。例えば、平安時代の人の心理を「サンチマンタリスム」などとフランス語で分析するところなどです。
もう1つは、主人公「下人」の目から見た光景です。羅生門の上で老婆を見るシーンなどで使われています。
「視点の変化」は映画やテレビドラマなどでも効果的に使われています。カメラ位置を変えることで、さまざまな視点から見て、多くのイメージが作れるわけです。
また、カメラを複数使うことでできるマジックがあります。「大型旅客機を消す」というマジックです。
まず飛行場に大型旅客機がとまっています。次にそのまわりを何枚かの板で囲い、大型旅客機が見えない状態にします。マジシャンがマジックをかけた後、まわりの板を外して行くと、大型旅客機が消えているというマジックです。
これは、カメラ2台を使うと簡単にできます。大型旅客機を囲うシーンまでを1台目で撮ります。2台目のカメラは、もう1カ所、似たような場所で、大型旅客機なしで同じ板を同じように立てておくのです。つまり撮影現場が2カ所あるのです。1つは大型旅客機ありの現場。もう1つは大型旅客機なしの現場。マジックの前半は前者を撮し、後半は後者を撮すというわけですね。