京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

さあ脱いで

2019-08-26 08:11:08 | 俳句
さあ脱いで
      金澤ひろあき
お約束本当かしら春の虹
桜月夜 しのびね漏れてくる絵巻
恋ほのか 若葉の萌える風騒ぐ
初夏の海余白に船を置いている
雨に包まれ令和始まる日の神戸
メーデーも即位も雨の中にあり
浴衣着てあっけらかんと告白す
七夕に恋人ほしいと素直な字
栗若葉縄文からの神の庭
蛍来る光源氏の絵巻より
流れ星盛んにお誘いメール来て
蚊の鳴くや毛ほども自信ありませぬ
毛虫にも毛並みの良さのあるらしい
冷し酒自分に酔えるお説教
初恋は手袋片っぽ出てこない
蛇の衣建前なんてさあ脱いで
冬木まえ たった一人の鬼ごっこ
巴投げきれいに決まる冬の虹
恋の猫絵文字のように跳び回る
ぶらんこの背中に好きと指の文字
花散るやきっぱり髪を切る合図
風の色にわかに変わる赤とんぼ
広い床 今日のお客は望の月
月光はアンモナイトのなみだかな
晩秋の日だまりいのち小さくて
月光は輪廻の記憶あるらしき
ほほえみにおもかげのあり雛人形
君の名は赤い目をした雪うさぎ
二股の大根源氏名ありそうな
春霞町の本屋がまた消える
少年の臣下となったカブトムシ
見て歩く 並ぶねぶたは土匂う
遠い雷終わった後に始まる恋
涼しさよ座敷わらしに会った蔵
裸木は死んだふりする知恵がある
枯れ葉舞う 乗り換え駅もある人生
和む部屋 サンタが置いていった愛
愛でる色 魂ひきよせる桜月
ちるさくら風の生き方終わり方