京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

祇園祭なくなる

2020-04-21 08:14:41 | 俳句
祇園祭なくなる
         金澤ひろあき
 「ついに」というか「やはり」というか、祇園祭が中止になりました。七月になってからの、あのうきうきした感じが、今年はないのです。
  祇園祭が消えた夏が来る  ひろあき

地下鉄がガラガラ

2020-04-20 08:54:34 | 俳句
地下鉄がガラガラ
       金澤 ひろあき
用事があって阪急電車に乗ると、特急なのに空席があります。例年だったら、満員であり得ないことです。
京都市営地下鉄もガラガラです。1月までは、海外の観光客などで満員でしたのに。
世の無常ですか、実感します。
 からっぽの地下鉄 色即是空そのまんま  ひろあき

あうんのラップ

2020-04-17 08:18:20 | 俳句
あうんのラップ
      金澤 ひろあき
萩の袖合わせ狂言泣くしぐさ
なんにもしてないのに腹だけが減る
メールには栗を送るね次は柿
台風の修羅の息吹の夜もすがら
角砂糖二つ紅茶に秋の暮れ
ひっそりと芒寄り添う藤袴
神の留守異国の人の来る社
ホットテイーただ今思考停止中
豪傑の名を持つ芋の女子好み
雨の色キンモクセイに染めている
散る紅葉どこかお芝居はじまりそう
鳥雲に惜しまれるもの惜しむもの
錦繍やあうんのラップ仁王像
芋を掘る土と話をするように
談笑の座にほっこりと柿二つ
冬紅葉ガラシャの名を持つ鄙祭り(長岡京市勝竜寺城にて)


似顔絵

2020-04-16 08:06:03 | 俳句
似顔絵
       金澤 ひろあき
まんじゅしゃげかまわんといてほっといて
まんじゅしゃげこれだけ咲けば悔いはなし
秋の虹不在の椅子にあなたの香
仕事疲れで寝ているこんな良い月夜
京町家秋の深まるチェロの曲
秋深くいのちのいみを説く童話
ようおこし坪庭からの秋の風
似顔絵で描きたくなる手掘芋
なんとなく熱燗おじさんらしくなる
みたままを書いたら怒る雪女郎
神無月死後のことなど知るもんか
ハロウインのかぼちゃ並みにはモテたとさ

「蒼天」NO、159の読後感

2020-04-15 08:32:35 | 俳句
「蒼天」NO、159の読後感
        金澤 ひろあき
 アイルランドのジョイスが書いた小説は、至る所掛詞になっていて、一つの文がいくつもの意味やイメージを浮き出させています。
 木村昭佳さんの短詩も、ジョイス的な世界を醸し出しています。
○ふっと美たある弦びびる夜ぽっぺん  木村昭佳
 「ふっと、美」と「吹っ飛び」、「美たある」と「ビタール」、「びびる夜」と「びびるよ」、「ぽっぺん」と「ポッペン」など、切り方や当てる文字を変えると、様々な「ことば」が潜んでいます。一見でたらめに見える音の列が、様々な意味をつきつけてくるのです。
 岡田尚さんの「夏でも足が冷たい」というのも、私自身がしだいに実感しつつあります。若くなっていく事実をありのままに。それに共感します。
○春を待つ湧き上がる雲の赤ちゃん    野谷真治
 雲が生まれる場面に出くわしたことがあります。山の中の神社でした。ものすごい水蒸気が、意志を持つもののように、ぐんぐん上がって行きました。この句を読んで、あの生命力のようなものを思い出したのです。
○ぐーんぐーん空が凧をひっぱる僕もひっぱる 来空
 来空さんの10代の短詩。表現手段を得た少年の、世界を書き記していく喜び・手応えのようなものを感じるのです。