豊洲市場の土壌汚染問題が話題になっているが、もう一つ問題がある。食品を扱う者ならば誰もが知っている「コールドチェーン」が分断されていることだ。産地から消費者に届くまで冷蔵温度を維持するシステムだ。豊洲市場ではトラックによっては駐車場で荷卸しをするため、夏場のかんかん照りで商品の温度が上ったり、雨にぬれたりして鮮度が落ちる。また、バックドアから接車して荷卸しするバースも数が少ないため、結局は駐車場に荷卸しすることになる。完全にコールドチェーンは崩壊している・・・・・
推進派のドンの伊藤裕康築地市場協会会長も怒っているというが、余程の馬鹿だね。こんなことぐらい設計図面を見れば、誰でも分かること・・・もっとも、利権がらみでその辺は意識もしていなかったので、今頃、出来上がった建物を見て騒いでいる・・・・・仕事に対する無責任さがよく分かるりますね。
以下、日刊ゲンダイから転載します。
解除できるのか 豊洲“時限爆弾”
最新設備コールドチェーン破綻で鮮魚が風雨にさらされる
2016年11月18日バックナンバー
「こんなことでいいのか!」――。“推進派のドン”こと、伊藤裕康築地市場協会会長も“激オコ”だ。
豊洲移転の最大のウリは、魚介類を産地から途切れることなく低温を保ち輸送する「コールドチェーン」だ。鮮度を落とさず消費者に届ける“最新鋭設備”に大枚をはたいたはずが、使い勝手を無視した造りのせいで宝の持ち腐れ。ちっとも機能しそうにないのだ。
「豊洲では、荷台が横に開く『ウイング型』の運送用トラックは、生鮮食品が外気に触れてしまうため採用できません。接車し荷卸しするための『バース』も、荷台の後部の扉が開くタイプのトラックが、バックで入ってくることを想定した造りになっています」(運送業界関係者)
荷を卸しやすいウイング型にも対応した築地より、手間と時間がかかるのは確実。しかも、「3.5メートルの高さ制限のある場所があるため、通行できない車両がある」(東京都中央卸売市場輸送協力会の椎名幸子会長)というから、豊洲のコールドチェーンは破綻へまっしぐらだ。15日の市場問題プロジェクトチームのヒアリングで、伊藤会長がまあ怒ること。
「バースにトラックが殺到すれば、外にある駐車場で荷卸しすることになる。豊洲はバースの数が圧倒的に不足しております!」
吹きっさらしの駐車場で荷を卸すことになれば、せっかくの最新設備も形なしだ。
コールドチェーンの一翼を担うため、卸売業者の「ホウスイ」(東京・中央区)は、70億円もかけて高さ42メートルの「豊洲冷蔵庫」を新設。1日当たり築地の4倍となる1150万円もの光熱水費だってコールドチェーンのためだが、それもこれもオジャン。原因は設計段階で「運送業者」の視点が決定的に欠けていたからだ。
ドンの怒りは収まらず「卸売場棟の1階と4階の駐車場には屋根がかかっておりません。雨や日照りがあると(海産物の鮮度が)心配」ときたから、衛生管理はまだ屋根のある築地の方がマシ。しかも「4階に屋根をかけると建物の強度が耐えられないと都の職員に言われた」というから絶望的だ。せっかくの鮮魚が雨露にさらされてしまう。
「莫大な費用をかけたにもかかわらず、“古くて汚い”という築地より優れている点はほぼありません。特に、物流の効率性では築地が圧倒的に優れています。道路に分断された豊洲と違って、築地は各施設が密接につながっているからです」(「東京中央市場労組」の中澤誠執行委員長)
怒りたいのは都民も同じだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます