余震 いい加減にさらせ

2011年04月19日 00時10分26秒 | 巻九 マーラーが私に語ること
毎晩、床に着くたびに大地がカタカタと震える。
地の神はまだ、収まりがつかないらしい。
あれから。そう。「あれ」という忌まわしい厄災から1カ月以上が経とうというのに。
いまだに、マグニチュード8クラスの余震さえ予測される始末。

どっかの都知事は、天罰と言いましたね。

まあ、俺にとっては多分天罰かも知れんが、
大多数の無辜の民衆にとっては
全く望まぬ災難に他ならぬ。

いい加減にせえよ、と
大地の震えにプロテストしても詮ない訳で。


この厄災で俺の身に降りかかったこと。

通常の仕事のサイクル、いわゆるルーチン的なものが一切なくなった。
朝が夜であり、夜が朝であり、
ひたすら受話器を手に夜が過ぎ
職場の床にマットレスを引いて朝が来る。

プラモデルなど、一瞬も触っていない。
いや、それは嘘だな。
棚から落下した完成品を拾っては、
…余震でまた落下し。
趣味って、なんだっけ(笑)

音楽。
なぜか知らんが、
マーラーの「悲劇的」をよく聴くようになった。
今も、バーンスタインの新録を。
言葉通りの悲劇性を求めているわけではない。
ただ、ただひたすら、
今の俺の気分は第6番なのだ。
ハンマーの打撃。それだけではない。
甘美なメロディーもまた、俺は同様に欲している。
ビタミン成分と同じくらい、俺は欲している。
だから、マーラーを聴く。

マーラー:交響曲全集、歌曲集
バーンスタイン(レナード),ハンプソン(トーマス),シュミット(トルデリーゼ),ツォイマー(ゲルティ),プライス(マーガレット),キング(ジェイムズ)
ユニバーサル ミュージック クラシック


音楽が世の中を救えるはずがない。
音楽がこの俗世間の阿鼻叫喚に対してナニをなし得るのか?
たぶん、無力なのだ。
無力ではあるが、
少なくとも俺のような愚かで無力な人間の叫びよりは
よっぽどまともに、
この夜空に響くに違いない!


ああ、やべえ。
また涙が出てきちまった。
第6番の第1楽章。

この忌まわしき、与えられし試練という厄災、大震災。
俺はいつしか、
あまりに涙もろくなっている!

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