講談社現代新書。
2004年10月刊。
中国の歴史を賑わした「盗賊」たち、
劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、毛沢東の姿が描かれている。
ここでミソなのはやはり、
毛沢東が含まれていることだろう。
著者があとがきで匂わせているように、
本当に言いたかったことは
毛沢東も中国史上の盗賊の系譜で位置づけられる、ということだ。
確かに著者の論で行けば、
王朝末期の豪傑であること、
徒党(私党)の結成、
政敵打倒権力奪取、
粛正、世襲化…
まあ、おっしゃるとおりだろうな。
絵に描いたような「盗賊」のお仲間に違いない。
前後するが、著者によれば
中国史における盗賊とは、
「官以外・武装・要求実現には実力行使・集団」がキーワード。
現代日本における「盗賊」とは似て非なるものである。
______________________________
文章は至って平易。
どっかで聞いたことのある話も含めて、
豪傑・首領たちのエピソードは非常に面白い。
と同時に、
歴史っていうのはやはり繰り返されるんだな、という感も改めて。
現在の中華人民共和国は、
清朝までの王朝時代以上に、
「帝国」であるという。
いわく、
個人の自由が失われた、
儒教以上に経典化されたマルクスレーニン主義…。
まあ、
よっぽど共産中国(というか毛沢東)がイヤなんだな
という気配も無くはないけど。
それはそれで、自分の中でバランス取って読んでるからいい。
______________________________
印象に残ったのは、
小平が明王朝の永楽帝に準えられているところ。
永楽帝は、初代皇帝の遺訓に背き、
自ら二代目を倒して帝位についた。
そして、結果的に明王朝の繁栄をもたらした。
小平もまた、
毛沢東の夢見た(?)共産主義社会への道を大転換し、
現代へと続く改革開放路線を歩む。
その結果、一応は現在の繁栄社会に到達した。
永楽帝の国家も、小平の国家も、
洪武帝や毛沢東が目指した国家の有りようとは変わってしまった。
しかし、創業者の一番の願いが
その国家の安定と繁栄にあったのだとしたら、
皮肉にも永楽帝も小平も一番の忠臣と言えるのである。らしい。
なんだかんだ言っても、
共産党政権ができてまだ半世紀。
半世紀と言えば、
百年単位で興亡してきた中国の歴代王朝に比べれば
まだまだ短期政権。
次なる中華帝国の姿はいったいどうなるんだろうか。
自分は、地獄の二丁目からこそっと覗いていようかと思う。
2004年10月刊。
中国の歴史を賑わした「盗賊」たち、
劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、毛沢東の姿が描かれている。
ここでミソなのはやはり、
毛沢東が含まれていることだろう。
著者があとがきで匂わせているように、
本当に言いたかったことは
毛沢東も中国史上の盗賊の系譜で位置づけられる、ということだ。
確かに著者の論で行けば、
王朝末期の豪傑であること、
徒党(私党)の結成、
政敵打倒権力奪取、
粛正、世襲化…
まあ、おっしゃるとおりだろうな。
絵に描いたような「盗賊」のお仲間に違いない。
前後するが、著者によれば
中国史における盗賊とは、
「官以外・武装・要求実現には実力行使・集団」がキーワード。
現代日本における「盗賊」とは似て非なるものである。
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文章は至って平易。
どっかで聞いたことのある話も含めて、
豪傑・首領たちのエピソードは非常に面白い。
と同時に、
歴史っていうのはやはり繰り返されるんだな、という感も改めて。
現在の中華人民共和国は、
清朝までの王朝時代以上に、
「帝国」であるという。
いわく、
個人の自由が失われた、
儒教以上に経典化されたマルクスレーニン主義…。
まあ、
よっぽど共産中国(というか毛沢東)がイヤなんだな
という気配も無くはないけど。
それはそれで、自分の中でバランス取って読んでるからいい。
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印象に残ったのは、
小平が明王朝の永楽帝に準えられているところ。
永楽帝は、初代皇帝の遺訓に背き、
自ら二代目を倒して帝位についた。
そして、結果的に明王朝の繁栄をもたらした。
小平もまた、
毛沢東の夢見た(?)共産主義社会への道を大転換し、
現代へと続く改革開放路線を歩む。
その結果、一応は現在の繁栄社会に到達した。
永楽帝の国家も、小平の国家も、
洪武帝や毛沢東が目指した国家の有りようとは変わってしまった。
しかし、創業者の一番の願いが
その国家の安定と繁栄にあったのだとしたら、
皮肉にも永楽帝も小平も一番の忠臣と言えるのである。らしい。
なんだかんだ言っても、
共産党政権ができてまだ半世紀。
半世紀と言えば、
百年単位で興亡してきた中国の歴代王朝に比べれば
まだまだ短期政権。
次なる中華帝国の姿はいったいどうなるんだろうか。
自分は、地獄の二丁目からこそっと覗いていようかと思う。
「規律無い情報の氾濫が家庭を崩壊させる」
を思い出しました。
共産主義(指向)と資本主義のダブスタを
持ってしまったアノ国。
読んだ言葉のようにならなければいいですが。
実はもう、なってるのかも?!
近世までと現代の大きな違いは
止め処ない「情報化社会」であることだと思います。
だから、もう百年も安定して続く帝国なんてありえないでしょうね。
そういう視点で言えば、
隣の半島の北側の国の行く末の方が興味ありますが。