映画「敬愛なるベートーヴェン」

2006年12月27日 20時51分00秒 | 巻十 クラシック音楽・吹奏楽
仕事sabotageって、いや早退して、
自分へのご褒美に、珍しく映画館へ。
ネタバレ注意。

敬愛なるベートーヴェン - goo 映画

前提
(1)写譜師アンナが実在の人物ではないらしいこと以外、一切の予備知識なしで観た。
(2)ベートーヴェンを殊更に愛好しているわけではない(好きだけど)。また、彼の曲も知らないものが多い。
(3)さらに言えば、映画は年に5本も観ないし、俳優や監督に関する知識もない。
(4)だから、以下のような見当違いの感想を書くのだろう。

---------- キリトリ -----------

なんか、映画「アマデウス」を髣髴とさせるような
ベトベンの変態ぶりだった。
アマデウスの変態ぶりはすんなり納得したんだが、
ベートーヴェンの「アレ」はちょっと唐突だったというか。
これも「音楽室の肖像画」の先入観のせいなんだろうか。
それにしても、他人に誤解・嫌悪されるために生きているような人物像だ。

アンナ、美しい。
知的で古風な魅力にはよくやられる。

交響曲第9番の初演。
指揮が全然おぼつかないベートーヴェンのために、
舞台の床(弦パートの奥あたり)から半身を出し、
彼に向かって指揮のリードをするアンナ。
ていうかあの位置じゃバルコニー席から丸見え?

リハ無しのはずのアンナだったが、
渾身のタクト。
曲が進むにつれ、
ベートーヴェンとアンナがシンクロして融合していくかのようだ。

こういう喩えを使うと甚だ場違いなのを承知で言うが、
これはまるで二人の精神的セックスである。

確かに、
徹底的に身体を撃ち抜くような、非常に甘美で厳しい音楽を聴いている瞬間、
性行為よりよっぽど気持ちいいことがあることを
自分はあえて否定しようとは思わない。
いやほんとに。

第九初演のシーンが、
観てる側の感情としてはクライマックスだった。
映画の展開としてはその後のエピソードも続くんだが。

---------- キリトリ -----------

「これで、音楽が変わる」
というようなことを、
第九初演の直前にベートーヴェンは呟いた。

確かに、変わったんだろう。
かの曲は、交響曲史上に残る金字塔になったのだ。
ブラームスもブルックナーもマーラーも、ショスタコさえ、
ベトベン無しでは在り得なかった。
(ハイドンやモーツァルト無しでは在り得なかったのも同様ではあれ。)

神との対話。
無音の中で生まれ出る心の中の音。
ベートーヴェンをもっともっと聴いてみようと思う。

---------- キリトリ -----------

字幕アドヴァイザーは佐渡裕氏。むむう。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (おんず)
2006-12-27 23:17:19
このような映画を上映中なのですね。知りませんでした。
で、ベトベン氏は変態だと(笑)
見てないので触れちゃあいけないんでしょうが、芸術家といわれる人たちの乱れっぷりを目の当たりにしたこともありますので、あながち完全なるフィクションとも思えないのですが(笑)
それはともかく音楽的快感と性的快感が酷似していることを否定しようとは思いません。酷似しているっつーか・・・
まあ、これ以上書くと直接的な話になるので自主規制します(笑)
返信する
Unknown (朱 厚照)
2006-12-29 16:45:02
おんずさん

ネタバレ記事に誘導してすみません。

「音楽的快感と性的快感」…
ですよね。似ていると思います。
脳内のやや後ろ下の方が刺激される感覚が。

私もこの辺で自主規制(笑)
返信する

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