1.17＋3.11

1995年の1月17日は、ずっと月曜日だと思っていた。

あの日、俺は仕事が休みだった。
その頃の俺は月曜日が定休の勤務だったのだ。
それで、その休みの日、
職場の者たちと山形蔵王へ早朝から繰り出していた。
当時はスキー狂いだった。上の台ゲレンデだ。


遠くの街で、何かとてつもないことが起きたことはなんとなく伝わってきた。


帰りの車中。
誰とは無しにつけたカーラジオ。
そこでは、信じられない話が次々と語られている。
数十数百の単位で表現される犠牲者。
高速道路の高架が倒壊した？

車の中で、誰もが無言だった。
スキー疲れのせいではなく。

何か、とてつもないことが起きたことは
よくわかった。

それが、俺のあの日の経験。


1月17日は火曜日だった。
前日16日が振り替え休日。だから俺は火曜日なのに休みだったのだ。

この年、もうひとつ忘れられない日がやってくる。
3月20日。
この日もあろうことか俺は休みだった。
こちらは間違いなく月曜日。地下鉄で劇物が撒かれた日。

明らかに、この1995年から日本は変わった。
誰かのことを想い行動する人々が増えた一方で、
不特定の誰かを異常に不審がる空気も激増した。
ボランティア精神と不寛容性。

その延長線上で、
たぶん未来の歴史の教科書だと一つの意味を持った項目の中で語られるであろう。
そんな出来事が、2011年3月11日。

日付に意味はない。
意味を持たせようとする意味を、それでも誰もが探している。