ロジェストヴェンスキーの「レニングラード」

2006年04月09日 20時46分21秒 | 巻八 ショスタコーヴィチが私に語ること
ショスタコーヴィチ
「交響曲第7番ハ長調 “レニングラード”」

10年以上前、アリナミンVのCMで
シュワルツェネッガーと宮沢りえが
ちちんブイブイやってた曲。
…こんな紹介したくはないんだが。

第1楽章のちちんブイブイのテーマは、
迫り来るナチスドイツ軍の表現だと言われることが多い。
或いは、スターリンも含めた全体主義の象徴とか。
作曲者がもしそう意図したのなら、まぁそうなのだろうが、
何回聴いても素直にはそういう解釈にたどり着かない。

これが醜悪さの象徴なら、ものすごいアイロニーだし、
それでないなら、変な寝汗をかく悪夢か。
ひょっとしたら、
ショスタコーヴィチはなーんも含意を込めてない可能性だってもちろんある。

---------- キリトリ -----------

本日の演奏は、
ロジェストヴェンスキー指揮ソビエト国立文化省交響楽団。

ロジェヴェンと聞いて爆裂系の演奏を予想したが
案外裏切られた。
むしろ透明感さえ感じる。かの第1楽章も例外ではない。
もちろん、ティンパニを始めとして、
鳴らすところはしっかり鳴らしてくれているのだが。
爆発する演奏ならむしろ、
バルシャイの独露混合オケの方がよっぽどだ。
ロジェストヴェンスキーのこの演奏が物足りないと言う意味では全然ない。
フィナーレの終局を聴けば、昇華する熱源ががそこにある。

---------- キリトリ -----------

パウル=カレルの戦記なんかを読むと、
モスクワもレニングラードもスターリングラードも、
結局はヒトラーの優柔不断な指揮によって、
何ひとつドイツはものに出来なかったということがわかる。
世界人類と世界平和にとっては
なによりのことだったのだろうが。

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