年末年始読んだ本

2020年01月05日 19時39分49秒 | 巻十六 読書感想
本を読まなくなった。
理由は簡単で、
特に通勤の電車内で顕著だが
スマホを眺めている時間が圧倒的に多い。
そういう意味で、こんな捻くれ者の私でも
けっこうな現代人なの。

3,4年くらい前からだろうか、
年末年始などの長い連休に集中的に読むようになった。

だいたい、そんな休暇中は実家に帰っていることが多く。
実家にはプレステ2のような娯楽がないので
(いまだにプレステ2かよという話は本題ではない)
読書にうってつけ。

もちろん、実家にいてもスマホは手元にあるし、
習慣としているラジオの溜め聴きもするので
時間の配分は容易ではないが。

この休み期間に読んだのは3冊。読んだ順に。


◆大木毅/独ソ戦

買ってからだいぶ時間がたっちゃったなあ。
そう言えばちょうど1年前の休みには
マンシュタインの伝記を読んでた。
偶然ながら、テーマは被ってる。

俺も70~80年代の戦記物で
第二次大戦に関する価値観が固まった世代。
著者が言うように、
刻々と塗り替えられていく知見で
自分の固定観念を上書きしていく必要はあるんだろうな。
そこらへんは一応柔軟でいたい。

「電撃戦という幻」の訳者(共訳)もこの方だったんだね。
あれは非常に面白かった。
分厚い2冊モノなのに2回読んだっけ。

◆高橋ユキ/つけびの村

今回一番読みたかったのはこの本。
数年前に起きた、ある過疎集落での放火殺人事件。

当時の報道はよく覚えている。
薄気味悪い貼り紙。
田舎の因習というか、ドロドロとした背景を感じずにはいられなかった。

もともと、こういうテーマが好きなんだよなあ。
津山の大量殺人とか、
フィクションで言えば横溝正史のお話とか
杉沢村とか(これは違う)。

これはもちろん勝手な先入観なんだろうけど
この手の事件って列島の西の方に多くない?
いや、思い込みなのは認めるが。

肝心の本のほうは、
文章がいろんな意味でプロじゃない感じで
そこに逆に真実味というか迫真感があったな。
俺が事件の関係者(親族・遺族・住民)だったら、
相当にウザく思うであろう取材を重ねていく。
それを楽しんで読み進める自分がいる。

よその不幸は蜜の味、とまでは言わないけど。

自分の生まれ育った環境のことを考えた。
岩手県の田舎である。

確かに、大人たちは噂が大好き。
特に死んだばあさんはそうだったな。
俺は他人の家に関する下世話な情報なんかまったく興味ないし
自分のこともこうやって噂になって発信流布されていくんだろうなと感じ
とっても嫌だった記憶。


◆今尾恵介/地名崩壊

地理の本が好きなんだよなあ結局。
この方の本も何度か読んだことがあった。

歴史的由緒ある地名がどんどん塗り替えられていくのは
俺も非常に残念に思う。
○○中央市とか○アルプス市みたいな名前に
自分の住む所が改名するとなったら
真剣に移住を考える。
持ち家を建ててしまった今では難しいけど。

政令指定都市の区名の話。
中央区だの東西南北区だの、結構多いんだな。

翻って我が仙台市。
青葉区、宮城野区、若林区、太白区、泉区。
これって実はとってもセンスが良かったんだな、と実感した。

下手したら、順に
中区、東区、?区、南区、北区になってたってことだ。
若林区だけ思いつかないが笑

この点だけでも、仙台市民は誇っていいと思うぞ?

あと、旧町名復活の話。
仙台市でも2代前の市長がやりかけたことがあった。
あの人、政治姿勢や思想は圧倒的に嫌いだが
あの政策だけは意地でも進めてほしかったなあ。
多少の皮肉を込めて。

で、この本、
一個一個のネタはとても興味深いのだが、
同じ話が何度も出てきたりと
構成に馴染めなかった。
それはそれとして、暇つぶしには最適。もちろんいい意味で。
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