あなたは居なさい、ぼくは行く。

2005年07月05日 22時22分50秒 | 巻六 世界史
最近気になった新聞記事。
朝日新聞(東京本社7/4・12版・10面)
「時の墓碑銘」という小池民男氏のコラム。

民族固有の言語の、
最後の話し手になってしまった人々の話。
アラスカ先住民イーヤック語、
トルコのウビフ語、
北米先住民のヤヒ語。

タイトルの言葉は、
ヤヒ民族最後の生き残り「イシ」の
死に際の言葉だそうだ。

強大な力
それは政治権力だったり、
優位の「文明」を持つ民族だったり、
そういった外部からの圧倒的な「グローバル化」によって、
一方において民族固有の言語・文化を
喪失させられていく人々がいる。
それは決して昔の西部劇の話ではなく、
今世紀、今現在も静かに進行している。


文化的文明的侵略については前にも書いたように、
自分にとって興味があると同時に、非常に重いテーマ。
関連書籍を買ったはいいが、
内容の重さにいまだ読んでいないものが多い。
今回の新聞記事で紹介されている「イシ」(岩波現代文庫)についても、
読後の憤激と沈痛をついつい想像してしまって、
手に取ることを躊躇してしまう。いかんな~。

現代世界でひとり勝ちしている某大国、
かの国は
あまりに膨大な先住民の犠牲のうえに建っている。
「自由と民主主義」の国の、
それがまた一つの側面だ。

自分は浅学にして、
かの国において
かの国の国民たちが
そうした国の成り立ちをどれほど理解して
どれほど心に刻んでいるのか
知らない。

もちろん、
かの超大国だけではなく、
悲劇的なほどに多くの弱者の犠牲の上に建っている国は
他にもたくさんあるけれども。

今を生きる我々は、
そうした過去の人びとの犠牲と
現在もどこかで続いている人々の苦難を、
どうにかは出来ないまでも
精一杯の想像力で
思いを馳せるべきだ。

無批判無条件に
「民主主義の押し売り」や「ぐろーばる化」なんてものを
受け入れるのでなく。
「勝ち組」の「殺し屋の言語」を
嬉々として受け入れるのでなく。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アイヌ語 (sonar1732)
2005-07-06 20:31:21
 おいらは道産子。

アイヌ民族を忘れてはいけないと思う。

アイヌ語は民放で「アイヌ語基礎講座」を

やってる。

それでもアイヌ語は死につつある。

場違いなコメントだと判断されたら、

即削除お願いします。
返信する
場違いだなんてとんでもない!! (朱 厚照)
2005-07-06 21:18:46
貴重なお言葉、本当にありがとうございます。

私はアイヌ文化にも興味がありまして、

北海道に行った時には

二風谷アイヌ文化博物館や

二風谷ダムの建設現場も見ました。

かといって

何ら有効なことを実行していない自分が

情けないのですが。
返信する
ごめんなさい (sonar1732)
2005-07-07 08:24:53
TB2つ付けてしまっていますね。

使い方があまり良くわかっていなくて、

ごめんなさい。

この次は上手にやりますから、

許してやってくださいまし。

返信する

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