覇王の馬券密議

中央競馬の壮大な演出劇の真実・・・ターフ裏の怪人が饒舌に説き聴かせる回顧と予想

海老蔵の宗五郎 遠のく

2010年12月07日 22時10分01秒 | Weblog
「おはま、一杯ついでくれ」
「つげとは、何を」 (女房おはま)
「おなぎさんが持ってきた、酒を一杯ついでくれ」
「おう、宗五郎。それじゃ、お前、禁酒を破る気か」 (宗五郎親父)
「とっつぁん。堪忍しておくんねえ。おら、今のおなぎさんの話を聞いちゃあ、酒でも飲まずにゃいられません」
「尤もだ、尤もだ。俺が許す。さ、一杯やれ」 (宗五郎親父)
「そんならあっちが、燗をしましょう」 (奉公人三吉)
「いや、冷でいいからはやく持ってこい」

 河竹黙阿弥・作 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしき つきのあまがざ) 通称『魚屋宗五郎』と云う演目がある。

 もともと酒乱の魚屋の親方・宗五郎が、旗本屋敷に奉公にやった妹・お蔦が、不義を働いたと殿の怒りを買い、濡れ衣で切り殺されたと知った宗五郎が、禁酒の誓いを破り、一杯また一杯とあおっていくうち、酒乱の本性をさらけ出し、大暴れし、最後は花道で「矢でも鉄砲でも持ってきやがれ」と大啖呵を切り、酔ったまま酒樽片手に旗本屋敷に暴れ込む、と云う筋書きである。

 二代目尾上松緑の宗五郎に、相性抜群の尾上梅幸の女房おはま。このコンビでの傑出した舞台が、今も、講談社歌舞伎名作選集や国立劇場などで売っているDVDに残っている。このシリーズには、11代目團十郎(海老蔵の祖父)の勧進帳なども含まれている。

 元は、音羽屋・尾上菊五郎家のお家芸だが、成田屋、海老蔵の舞台でも見たいと思っていた。

      宗五郎   海老蔵
      おはま    福助(海老蔵は腕相撲で朝青龍とも引き分けたと証言、擁護)
      お蔦     菊之助(寺島しのぶの弟)

 このような配役で夢見ていたが、この宗五郎の酒乱ぶり。海老蔵が演るとリアル過ぎ、皆今回のことを思い起こすので、松竹もこの配役は夢と諦めるだろう。残念である。

 見たかったなぁ 海老蔵の宗五郎 

 無期限謹慎となった海老蔵だが、当座、盗み酒を写真週刊誌に追いかけられることだろうな。

「それじゃあ、とっつぁんのかわりにもう一杯ついでくれ」

 ジュベナイルフィリーズ は○枠発射だぜ。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 連動はGⅠを語る | トップ | サイン馬 公開! »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事