中野笑理子のブログ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

自動販売機のない町

2017年04月19日 | 日記
この平成の世の中に、しかも東京に、そんな町があるらしい。
テレビで「昔ながらのお屋敷が多くて、静かでね~」とクリス松村さんが言っていた。
それでも以前に比べると、古いお屋敷が解体されて、少しずつ変わっていっているらしい。

うちの近所にも、お屋敷とまではいかないまでも、かなり古いお宅が数件残っている。
かなり大きな平屋の日本家屋は、懐かしい焼き板の塀があり、思わず落語の「植木屋娘」を思い出してしまう。
また庭に白壁の蔵があるお宅もある。
どちらもひっそりとした佇まいで、果たして人が住んでいるのか、それとも空き家なのかと気になっていたけれど、夜に前を通ったら灯がついていたので、何の関係もないけれど、ほっとしたりしている。

そんな古いお宅の一軒が、ある日シートで覆われて、あっという間に更地になってしまった。
後には洒落たワンルームマンションが建ったが、こんなに短時間でできるのかと思うほど早かった。
古い家が解体されると、その後はだいたいがワンルームマンションかコインパーキングになっている。
知っている馴染みの町が、ある日突然まったく別の顔になってしまったような淋しさを感じる。

以前住んでいた建物もすべて解体されてしまい、とうとう更地になってしまった。
ついこの前まで普通に歩けた道がフェンスで覆われて、入ることもできない。
今住んでいる所も、遥か昔は競馬場であったらしい。
夜中に時たま蹄の音が聞こえるのは、そういう訳であったのか(嘘です。聞こえません)。

時を経て変わらないものはないし、変わることは悪いことではないけれど、新しい綺麗な外観の建物や町を見て、耳触りの良い言葉に置き換えただけの実際は何も変わらない、いや前より酷くなっているかもしれない差別や正論だけを振りかざす今の世の中を連想してしまうのは、わたし根性が曲がっているからなのでしょうか。