お通夜。

書いているのは、1月21日。

前夜、メールチェックをすると、さわちゃんからメールが来ていた。
さわちゃんからメールを貰うのは初めてだ。
なんだろう、と開いてみたら。

ふじもっちゃんの訃報であった。

さわちゃんもふじもっちゃんも大学のときのゼミの同期だ。
わたしらのいたゼミは吉井センセの上代文学のゼミだった。
上代文学ってのは平安時代以前に成立したテキストのことで、「万葉集」「古事記」「日本書紀」「風土記」とかがそれ。
全部で11人のこじんまりしたゼミだった。

卒業して以来、わたしはほとんど年賀状だけのつきあいになってて、
最後にみんなで会ったのは、吉井センセのお葬式のときだった。
「今度はもっと楽しいことで会いたいねえ」とそのときいっこちゃんが言ってたのを覚えている。

ふじもっちゃんが亡くなったのは14日。
死因はくも膜下出血とのこと。

お通夜は岸和田シティホールというところで７時からだったが、
帰宅渋滞に巻き込まれ、遅刻した。
記帳を済ませてからエレベーターで会場にあがると、一般焼香の大行列の最後尾がエレベーター降りたすぐあたりでダダ詰まりしていた。

焼香を済ませたあと、さわちゃんともりちゃんとたこを発見合流。

一般焼香のあと、遺族からのご挨拶、それが済んだあと会場内に…。

♪へいへい、おおきに、まいどあり～

………SMAPの「HeyHeyおおきに毎度あり」が…。
これに始まる「君色思い」や「10＄」の、SMAP初期名曲集メドレーが。
わが耳を疑った。
わが耳の次は、会場の音声担当者の痛恨のミスを疑った。

「なあ、これ、SMAPやんなあ？」

尋ねたら、ふじもっちゃんとずっと普段づきあいのあったもりちゃんが。

「ふじもっちゃん、SMAPやってん。チケットある言われたら、福岡とか名古屋とかでも行ってたわ～」

………びっくりした。
まじくそ、びっくりした。
うわー、京セラドームで知らずに袖すりあってたかも～。
娘さんと母娘でSMAPで、娘さんは慎吾で、ふじもっちゃんは中居くんだったそうな。

その後、ふじもっちゃんの顔を見せていただいた。
ほんとのほんとに寝てるみたいだった。
寝てるみたいだったけど、寝ている場所は棺の中で、
それまで狐につままれたみたいな気持ちのまんまで全然実感なかったのに、
ああ、ほんとに死んでしまったんだと、初めて涙がこみあげてきた。

ふじもっちゃん本人もびっくりしたろうなあ。
もりちゃんに聞いた話では、
最初の出血してすぐ病院に運ばれ、手術を待っている間に第二の出血が起こり、それが命とりになったらしい。
でも、病院で手術を待っているときは全然死ぬ気なくて、「治ってから『実はな～』言うて、もりちゃんびっくりさせたるねん」と娘さんに言ってたらしい。
最近読んだ死神の出てくる話のせいか、
自分の体を見下ろしながら「うっそーっ！　なんでっ？！」って叫んでるふじもっちゃんの姿が浮かんだ。

それにしても人間、明日はわからんなあと、

「今月20日までにわたしになんかあったら、
わたしの鞄の中に仮面ライダーファイナルライブのチケット入ってるから、
にゃんに渡したって～。
にゃんの都合が悪かったら映美ちゃんに渡してくれたら、映美ちゃんが智子さんかたがるちゃんに連絡とってくれるから」

と、夜かっちょにプチ遺言。

ところで帰りしなもりちゃんが。

「わたし、関ジャニ∞の名前ぜんぶ言えるで」
「へ？」
「内くんおる頃からのファンやねん～♪」
「えーっ？！」

そのときはびっくりしすぎたのとお通夜モードからの切り替えができずに尋ね忘れたが。

誰担当？＞もりちゃん

そんでもってわたしにもしものことがあったとき、最大の問題はやっぱり。




この人たち……。