入口に在りし日のお写真が・・・
一龍齋貞鏡・・・「ご挨拶」
開演前、場内にはBGMとして桂銀淑の『すずめの涙』が流れていましたが、貞鏡さんが「師匠が好きだった曲」と説明。昨年の5月26日に亡くなった後、コロナ禍でお別れ会もできなかったが、多くの方々の力を借りて、今日の会になったと報告。
神田伊織・・・『弁慶と牛若丸 五條橋の出会い』
神田香織門下
一龍齋貞弥・・・『大岡政談 地蔵裁き』
「八代目貞山先生から稽古を
付けていただいた読み物」だそうで、『しばられ地蔵』のお話。
貞鏡さんが貞花門下になったことで、張り切っている様子でした。
宝井琴調・・・『愛宕の春駒』
貞山先生とは「講談かぶらや会」の仲間で、かつ麻雀仲間でもあったそうで、貞山先生形見の着物をお召しになって登場。「着物だけじゃ、麻雀でやられた半分にもならない(泣)」と、湿っぽさは無し。
一龍齋貞花・・・『天明白浪 八百蔵吉五郎』
貞花先生も「貞山さんの形見の着物です」
同じ“一龍齋”として、貞鏡さんを迎え入れたようです。
《仲入り》
八代目一龍齋貞山追善口上
貞弥・琴調・貞鏡・貞花・ 正楽
場内暗転の中、幕が開くと下手に『貞山』と書かれた“めくり”が置かれ、在りし日の貞山先生の『神崎の侘び証文』が流れました。
貞弥さんが司会を進める中、
琴調先生が「貞鏡さんの(来年の)真打ちが決まった時に、貞山先生が嬉しそうな顔をしていた」と、エピソードを披露。
林家正楽・・・「相合傘~双子のパンダ~※一龍齋貞鏡~※出世の春駒~※八代目一龍齋貞山~※大岡越前」
「貞山先生とは、伯梅、一楽の頃から学校寄席に行っていた」という 正楽師匠。
鋏試しを2つ切った後、一斉に飛び交う注文を聞き分け、それらを作品に仕上げる芸を楽しみました。
一龍齋貞鏡・・・『赤穂義士銘々伝 神崎与五郎の侘証文』
凛とした姿で登場した貞鏡さん。
口上時に流れた八代目貞山先生の音源と同じ演目とは・・・。
まさに“一子口伝”の読み物で、前座時は1年間、修羅場(山崎戦記)ばかり読んでいたことを思い出しました。
貞山先生も天国から頼もしく見守っていらっしゃることでしょう。
立正大学文学部国文学科の大先輩、9代目貞山先生。
貞鏡さんがおっしゃっていましたが、「心(しん)の臓の病」を患われていたとは・・・。
一周忌に当たり、改めて貞山先生のご冥福と貞鏡さんのご活躍を祈念します。
であい寄席からの献花が・・・