演芸見ブんログ

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07/03/31 真一文字の会~春風亭一之輔勉強会~

2007-03-31 | 勉強会
春風亭一之輔…『のめる』

春風亭一之輔…『長屋の花見』

《お仲入り》

春風亭一之輔…『大工調べ』


先日の早朝寄席で拝見した一之輔さん。
「大工調べ」だけがネタ出しかと思ったら、ほかの2席もネタ出しでした。

「くだらない他愛もない噺ですから、アッと言う間に終わります。お客さんのウォーミングアップのつもりで聴いて下さい」で始まった1席目。
肌寒い気候を反映してか、ちょっと暖かめの場内。早くも汗をかく一之輔さん。
「『夢金』の船頭やっても汗をかくんですよ」
雪が深々と降る中の船頭が汗をかいちゃいけませんな
八五郎と半七が、相手の口癖を言わせたら一円貰うという噺。
主人公は八五郎なんですが、一之輔さんの風貌を見ると逆に半七というイメージ。
それでもこの噺、こんなに面白かったのかと再発見させられた一席でした。

「梅と桜、どっちが好きかと聞かれたら、『梅』と答える性分なんですが、日暮里駅前の『ルノアール』で外の桜を見ていたら、いいもんですねぇ」
長屋の花見の時代に「レッテル」という言葉があったのか?という時代考証的な疑問は別にして…「レッテル」はオランダ語だからアリ?
私にとって今月9回目の「長屋の花見」です。
ちなみに「三遊亭圓雀師匠・三笑亭可楽師匠・瀧川鯉橋さん・三遊亭時松さん・瀧川鯉昇師匠・桂伸治師匠・春風亭小柳枝師匠・春風亭柳太郎さん」
(先月の柳亭楽輔師匠も含めると10人!)
二つ目さんから大看板まで、いかに季節的で愛されている噺かが良くわかります。
何度聴いても、誰のを聴いても面白い噺ですが、一之輔さんのも良かった。
欲を言えばキリがないのですが、できれば『酒柱』ではないサゲを聴きたかった。

3席目はネタ下ろしだそうで、高座に上がる前に掌に(おそらく)「人」を書いて呑み込んでました。
ネタ下ろしだけに棟梁の啖呵も同じ言葉を2度繰り返したり、痞えたりする場面もありましたが、啖呵を聞き終わった大家のセリフが傑作。
「長くベラベラたどたどしく言うねぇ…」
これには場内大爆笑でしたが、ともすれば緊張する見せ場で、これだけの余裕がある所に「大物感」を感じました。
この後のお白洲やサゲまでを期待しましたが、さすがに今日は序まで。
それでもいつの日か、一之輔さんの通しの大工調べを聴きたいと思わずにはいられませんでした。

終演後、客一人一人に感謝と反省の言葉をかけていた一之輔さん。
これから、もっともっと高座を見たいと思わせる噺家さんです