『DQXエンドレス・ラブ』①
前回
『エンドレス・ラブ』禁じ⑤
<ストーブ⑥>
アンとの約束のあと、ジェイドとデヴィッドは謹慎生活に入りました。
デヴィッドはジェイドへの愛は変わることなく、学校でもジェイドの姿を見つめていました。
ジェイドはデヴィッドの視線は感じつつも、家族の約束は守っていました。
ジェイドの面影だけをおくる時間は…
デヴィッドにはさみしい時間でした。
デヴィッドの教室にはキースがいました。
「ボブ、今夜パーティーに来ないか?」
「ジェイドもいるのか?」
「ああ、もちろんいるよ。あたりまえじゃないか…」
「恋人がいるんだろ?」
「もう別れたよ」
「チャンス到来だな、何時から?」
「おまえは親友なんだ、好きな時間に来いよ」
「じゃあ、あとで」
「じゃあ、待ってる」
キースとボブが話している姿は見えても、デヴィッドには何を話してたかは聞こえませんでした。
「いい考えがある。こうなったら彼女を誘拐するんだ。で、身代金をとる」
「バカ言うな」
「俺なら彼女の家を放火するね」
デヴィッドが友達に恋人との話しをしていると、そこにボブがやってきました。
「俺やったことあるぜ。8歳のときだ。」
「うそさ」
「うそじゃないさ。濡らした新聞紙に火をつけたんだ。すごい煙が出て怖かったよ。でも僕が第1発見者になって一躍ヒーローだ…おふくろは今でも俺が英雄だと信じてるアハハッハハ。頼むからおふくろには喋るなよ…」
「もういくよ」
「おい!どこ行くんだ!」
「デヴィッド…」
「まったく、デヴィッド?デヴィッド!近所から苦情がくるわよ!」
「たまらないわ!私が警察を呼びたいくらい!こんなことなら彼女と別れてほしいわ」
「親が口出しするな」
「そうはいかないわ」
「つき合う前にあの一家のこと、知るべきだったのよ!」
「またその話か…」
「マーガレットからもっと詳しい話しを聞いてたら、こんなことになる前にもっとはやく何かできたはずよ…」
「もう子供じゃないんだ。自分で解決するさ」
「いいえ、あの子は彼女のことで頭がいっぱい。あの一家は近所の笑いものなのよ!ドラッグにドンチャン騒ぎ!60年代のヒッピーね!」
「会ったこともないのに、そんな言い方はやめてくれ」
「会わなくても結構よ、その必要もないわ!」
「あの家族は素晴らしい家族だよ!みんな仲良くて理解しあってる!」
「もういいだろ」
「支え合ってる魅力的な人たちなんだ!仕事の話しだけの我が家とは大違いだ!」
「だったら、あの家に住めばいいわ!そのほうが、あなたはよっぽど幸せになれるんでしょ!」
デヴィッドは家を飛び出してジャイドの家の側まで行きました。
ジェイドの家ではパーティーが開かれていて、大勢の来客者で賑わってました。その様子はデヴィッドにも見えました。
その様子の中には、ボブとジェイドが仲良くしているところも見てしまいました。
「あんたキースと一緒なの?」
「今度デートしないか?きれいな景色を見に」
「どうしようかな…」
「いいところ知ってるんだ。きっとだよ」
「また明日…」
「じゃあね」
デヴィッドは動揺しました。パーティーが終わり、だれもいなくなったときに、窓を叩いてジェイドを呼びましたが気づいてはくれません。
そこで、濡れた紙に火をつけた話しを思い出しました。
デヴィッドはジェイドを呼びもどすために、濡れた紙に火をつけボヤ騒ぎを起こそうとして、家の側にあった紙に火をつけ草むらに潜んで待っていました。
しかし、ボヤでおさまるどころか!炎はどんどんと燃えひろがり、その炎の激しさに驚いたデヴィッドは、ドワを壊し家に入ってジェイドを呼びました。
「ジェイド!ジェイド!」
「デヴィッド!どうしたの?」
「火事だ逃げないと!」
「あッ!」
「ここじゃだめだ!裏口にまわろう!」
「お父さん!急いで!」
「キース!逃げるんだ!」
「デヴィッド!ここで何してるだっちゃ!?」
「何をしただっちゃ!!さっさと失せろだっちゃ!!」
怒ったキースはデヴィッドを突き飛ばしました。
キースに突き飛ばされたデヴィッドは火事の家の中で気を失いました。
「キース?はやく行け!」
「デッ!デヴィッド!…」
「家は全焼になっただっち。ここが火事になったジェイドの家の跡地だっち。気を失ったデヴィッドは、ジェイドのお父さんのヒューに抱きかかえられて助け出されただっち・・・」
次回
『エンドレス・ラブ』ホームルーム⑦