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旧える天まるのブログ
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『リモート・ボナール』プロヴァンスの水差し

2020-09-10 16:40:21 | DQX リモート・ボナール

「果物はこれでいい?」

「パイナップルじゃないよ。オレンジが欲しいんだ」

「ごめんなさい。間違えちゃった」

「困ったな・・・」

「どうしたらいいのかしら?・・・」

「カットッ!!」

「おつかれさまでしたー」

「これはどういった経緯のシーンなの?。セリフは覚えやすかったけど」

「これは、ボナールがオレンジを描こうとしていて、」

≪オレンジ・ボナール≫

「妻のマルトが間違ってパイナップルを置いたシーンです」

「オレンジの絵?」

「なぜか、ボナールの≪オレンジ≫の絵には解説がないんです」

「そこはおそらく、ボナールは≪プロヴァンスの水差し≫を描くことにつながっていくんだと思うのです」

≪プロヴァンスの水差し・ボナール≫

「あの、頭を抱え何かを考えてるシーンを撮ったんです。まさに哲学だー」

「そうですか‥」

「≪人物のいる静物≫になると、17世紀オランダの親密な静物画が3世紀のにちフランスの感性を通じて、明るく優雅になった印象を受ける。≪オレンジ≫≪プロヴァンスの水差しでは、それがいよいよ簡略化され、不必要なものはまったく姿を消す。17世紀オランダの静物画は、一般にあまり現実に似ていて、ときにだまし絵に見えたり、超現実的要素をもって無気味な場合があるが、時代と場所、環境風土の変遷(へんせん)美術様式の推移などによって、画家の個性によって、暖かい親密さと明るさが増してくる。このあたりは、おそらくボナールの一つの頂点であろう。」

「哲学者さん、熱弁だったね」

「ボクが渡した本の内容をそのまま暗記して語ってたよ」

「そうなの?」

「うん」

「そっか」

「入浴剤、持ってきて」

「香りは?」

「ラベンダーにしようかな」

「ラベンダーね」

「うん」

「はい」

「ありがと、リラックスできるわ」

「あなたも入ったら?」

「うん」

「大麻で、また、捕まったひとがいたね」

「うん」

「あなたはどう思ってるの?」

「ボクたち運転免許もってるじゃん」

「それで?」

「覚えてる?キミとお酒を飲んで、ボクが自動車で送ったこと?」

「あの頃は若かった」

「お酒を飲んだあと自動車の運転は危険だと、何度も教習所のビデオで教わっただろ?」

「うん、よくビデオでその危険性を見せられたね…」

「運転はできないこともないけど、危ないのさ。治療が必要になることもある。あのとき、飲酒運転がみつからなかったから。もしあのとき事故を起こしてたり、警察に捕まってたら。ボクとキミは今、ここにふたりでいなかったかも…」

「みつからなかった、だけだったもんねー…」

「飲酒運転が合法できないことと、大麻が合法できないのと、ボク一緒だと思うんだ」

「さっき使った入浴剤だって、随時、チェックはうけてると思うのさ」

『リモート・ボナール』暖炉の前の少女

 

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