来月、10月5日の『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』では演劇部『柔道部BLミュージカル』というお題で作家さんが決まったようです。
HPリンク『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』
私も企画で応募したのですが、厳選な審査の結果、選ばれませんでした。
企画と作家、作品が決まってるようなので、今更応募しても採用されることはないだろうということで、私のほうは勝手にシナリオが思いつきましたので、メモ書き程度に載せておきたいと思います。
『赤門三四浪』
この春、伸弥(ノブヤ)は三浪の末、東大生になった。晴れて赤門を通り、本郷キャンパスの三四郎池をぼーっとながめていた伸弥。
「三四郎池って姿三四郎が由来なのかな?」
すると、もうひとりの東大生が伸弥をみつけ声をかけてきた。
「やあ、新入生?」
「え、あ、はい」
「俺も今日からこの大学に、四浪してやっと入った」
「四浪?、僕は三浪でやっと」
「へえー俺よりも早いな」
「い、いやー、四浪で入るなんてすごいですよ」
「それ、褒め言葉?」
「い、いや、いや、4回も諦めないって偉いですよ、僕は諦めようと思ってましたから」
伸弥に声をかけたのは吾郎。母親がSMAP稲垣吾郎のファンだったので、同じ名前をつけた。
「俺、吾郎って言うんだ。名前と同じ五浪にならなくてよかったよ」
「僕は伸弥(ノブヤ)よろしくです」
「よろしく」「それにしても四浪ともなると、キャンパスじゃ肩身が狭いな」
「ちょっと老けた顔の輩がいないか?と、思っていたらキミがいて」
「それでも、新入生じゃなかったらどうしようかと、ドキドキしてたぜ」
「え、あの、僕そんなに老けて見えてました?」
「老けてたわりには新入生ぽかったから、なんていうか匂いがした!加齢臭」
「ピンときた。いや、つーんときた」
「そ、そうですかーつーんとですか…」
「ところでここで何を考えてたんだ」
「ここ、三四郎池ですよね?柔道の姿三四郎が由来なのかなって」
「姿三四郎?違うよ、夏目漱石の小説『三四郎』が由来だってスマホで調べたら書いてたぜ」「伸弥は柔道でもしてたのか?」
「い、いえ、小学生の頃から親に『東大に入れ』って言われてたから、スポーツは封印していて」「運動はその頃からからっきしダメで、ただ、なんとなくこの池を見ていたら姿三四郎が想い浮かんで」
「俺も運動はまったくでさ、浪人してからは更に運動不足だ」
「サークルは何かやる気でいるの?」
「四浪学生がサークルに参加したって恥ずかしいだけだ」
「現役で同い年はすでに卒業。1浪が四年生だぜ」
「学歴だけ頂戴して、なるようになればいいんだ俺は」
「おい、そこで何くちゃくちゃ話してるんだ吾郎」
「美由紀!」
吾郎の予備校時代からの同級生が現れた。美由紀(ミユキ)は2浪で入学し、東大二年生。
「やっと入れたのか、おめでとう」
「予備校時代は世話になったな、つか、吾郎に興味ねーし、彼氏いるし、年下の現役合格。官僚希望の彼」
「将来は警視庁の長官候補。これから柔道部のお稽古が始まるところなんだから」
「どいてどいて、ランニングの邪魔よ」
美由紀は柔道部のマネージャーをしていて、将来は検察庁を希望している。
「さあ!エリート候補がお通りよ」
「そこを開けなさーい」
「俺たちゃ将来長官だ!事件は会議で起きている」
「ファイトー押忍 ファイト押忍 ファイト押忍」
「キャリアは稽古で積んでいる!浪人達には負けないぞ!」
「ファイトー押忍 ファイト押忍 ファイト押忍」
柔道部員が三四郎池の脇道を駆け抜けて行った。
「柔道部だって!」
「みんなヒョロヒョロじゃねーか!」
そんなこんなの伸弥と吾郎。三浪と四浪コンビはサークルには入らずにひょんなことから自分達で柔道を始めた。柔道を覚えるのは通信教育。道場探しから、畳を武道館に侵入して盗むなど、ドタバタを繰り返し、黒帯を目指し物語は進んでゆく。昇段試験は3勝しなければならないという大きな壁。『ロリータ』『パワハラ』『セクハラ』『真の愛』。赤門大学柔道ストーリー
『赤門三四浪』
『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』演劇部。孤高の不採用作品。
HPリンク『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』
私も企画で応募したのですが、厳選な審査の結果、選ばれませんでした。
企画と作家、作品が決まってるようなので、今更応募しても採用されることはないだろうということで、私のほうは勝手にシナリオが思いつきましたので、メモ書き程度に載せておきたいと思います。
『赤門三四浪』
この春、伸弥(ノブヤ)は三浪の末、東大生になった。晴れて赤門を通り、本郷キャンパスの三四郎池をぼーっとながめていた伸弥。
「三四郎池って姿三四郎が由来なのかな?」
すると、もうひとりの東大生が伸弥をみつけ声をかけてきた。
「やあ、新入生?」
「え、あ、はい」
「俺も今日からこの大学に、四浪してやっと入った」
「四浪?、僕は三浪でやっと」
「へえー俺よりも早いな」
「い、いやー、四浪で入るなんてすごいですよ」
「それ、褒め言葉?」
「い、いや、いや、4回も諦めないって偉いですよ、僕は諦めようと思ってましたから」
伸弥に声をかけたのは吾郎。母親がSMAP稲垣吾郎のファンだったので、同じ名前をつけた。
「俺、吾郎って言うんだ。名前と同じ五浪にならなくてよかったよ」
「僕は伸弥(ノブヤ)よろしくです」
「よろしく」「それにしても四浪ともなると、キャンパスじゃ肩身が狭いな」
「ちょっと老けた顔の輩がいないか?と、思っていたらキミがいて」
「それでも、新入生じゃなかったらどうしようかと、ドキドキしてたぜ」
「え、あの、僕そんなに老けて見えてました?」
「老けてたわりには新入生ぽかったから、なんていうか匂いがした!加齢臭」
「ピンときた。いや、つーんときた」
「そ、そうですかーつーんとですか…」
「ところでここで何を考えてたんだ」
「ここ、三四郎池ですよね?柔道の姿三四郎が由来なのかなって」
「姿三四郎?違うよ、夏目漱石の小説『三四郎』が由来だってスマホで調べたら書いてたぜ」「伸弥は柔道でもしてたのか?」
「い、いえ、小学生の頃から親に『東大に入れ』って言われてたから、スポーツは封印していて」「運動はその頃からからっきしダメで、ただ、なんとなくこの池を見ていたら姿三四郎が想い浮かんで」
「俺も運動はまったくでさ、浪人してからは更に運動不足だ」
「サークルは何かやる気でいるの?」
「四浪学生がサークルに参加したって恥ずかしいだけだ」
「現役で同い年はすでに卒業。1浪が四年生だぜ」
「学歴だけ頂戴して、なるようになればいいんだ俺は」
「おい、そこで何くちゃくちゃ話してるんだ吾郎」
「美由紀!」
吾郎の予備校時代からの同級生が現れた。美由紀(ミユキ)は2浪で入学し、東大二年生。
「やっと入れたのか、おめでとう」
「予備校時代は世話になったな、つか、吾郎に興味ねーし、彼氏いるし、年下の現役合格。官僚希望の彼」
「将来は警視庁の長官候補。これから柔道部のお稽古が始まるところなんだから」
「どいてどいて、ランニングの邪魔よ」
美由紀は柔道部のマネージャーをしていて、将来は検察庁を希望している。
「さあ!エリート候補がお通りよ」
「そこを開けなさーい」
「俺たちゃ将来長官だ!事件は会議で起きている」
「ファイトー押忍 ファイト押忍 ファイト押忍」
「キャリアは稽古で積んでいる!浪人達には負けないぞ!」
「ファイトー押忍 ファイト押忍 ファイト押忍」
柔道部員が三四郎池の脇道を駆け抜けて行った。
「柔道部だって!」
「みんなヒョロヒョロじゃねーか!」
そんなこんなの伸弥と吾郎。三浪と四浪コンビはサークルには入らずにひょんなことから自分達で柔道を始めた。柔道を覚えるのは通信教育。道場探しから、畳を武道館に侵入して盗むなど、ドタバタを繰り返し、黒帯を目指し物語は進んでゆく。昇段試験は3勝しなければならないという大きな壁。『ロリータ』『パワハラ』『セクハラ』『真の愛』。赤門大学柔道ストーリー
『赤門三四浪』
『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』演劇部。孤高の不採用作品。