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旧える天まるのブログ
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赤門三四浪

2018-09-24 09:32:32 | 雑記の宿
 来月、10月5日の『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』では演劇部『柔道部BLミュージカル』というお題で作家さんが決まったようです。

HPリンク『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』

 私も企画で応募したのですが、厳選な審査の結果、選ばれませんでした。

企画と作家、作品が決まってるようなので、今更応募しても採用されることはないだろうということで、私のほうは勝手にシナリオが思いつきましたので、メモ書き程度に載せておきたいと思います。

『赤門三四浪』

 この春、伸弥(ノブヤ)は三浪の末、東大生になった。晴れて赤門を通り、本郷キャンパスの三四郎池をぼーっとながめていた伸弥。

「三四郎池って姿三四郎が由来なのかな?」

すると、もうひとりの東大生が伸弥をみつけ声をかけてきた。

「やあ、新入生?」

「え、あ、はい」

「俺も今日からこの大学に、四浪してやっと入った」

「四浪?、僕は三浪でやっと」

「へえー俺よりも早いな」

「い、いやー、四浪で入るなんてすごいですよ」

「それ、褒め言葉?」

「い、いや、いや、4回も諦めないって偉いですよ、僕は諦めようと思ってましたから」

伸弥に声をかけたのは吾郎。母親がSMAP稲垣吾郎のファンだったので、同じ名前をつけた。

「俺、吾郎って言うんだ。名前と同じ五浪にならなくてよかったよ」

「僕は伸弥(ノブヤ)よろしくです」

「よろしく」「それにしても四浪ともなると、キャンパスじゃ肩身が狭いな」
「ちょっと老けた顔の輩がいないか?と、思っていたらキミがいて」
「それでも、新入生じゃなかったらどうしようかと、ドキドキしてたぜ」

「え、あの、僕そんなに老けて見えてました?」

「老けてたわりには新入生ぽかったから、なんていうか匂いがした!加齢臭」
「ピンときた。いや、つーんときた」

「そ、そうですかーつーんとですか…」

「ところでここで何を考えてたんだ」

「ここ、三四郎池ですよね?柔道の姿三四郎が由来なのかなって」

「姿三四郎?違うよ、夏目漱石の小説『三四郎』が由来だってスマホで調べたら書いてたぜ」「伸弥は柔道でもしてたのか?」

「い、いえ、小学生の頃から親に『東大に入れ』って言われてたから、スポーツは封印していて」「運動はその頃からからっきしダメで、ただ、なんとなくこの池を見ていたら姿三四郎が想い浮かんで」

「俺も運動はまったくでさ、浪人してからは更に運動不足だ」

「サークルは何かやる気でいるの?」

「四浪学生がサークルに参加したって恥ずかしいだけだ」
「現役で同い年はすでに卒業。1浪が四年生だぜ」
「学歴だけ頂戴して、なるようになればいいんだ俺は」

「おい、そこで何くちゃくちゃ話してるんだ吾郎」

「美由紀!」

吾郎の予備校時代からの同級生が現れた。美由紀(ミユキ)は2浪で入学し、東大二年生。

「やっと入れたのか、おめでとう」
「予備校時代は世話になったな、つか、吾郎に興味ねーし、彼氏いるし、年下の現役合格。官僚希望の彼」
「将来は警視庁の長官候補。これから柔道部のお稽古が始まるところなんだから」
「どいてどいて、ランニングの邪魔よ」

美由紀は柔道部のマネージャーをしていて、将来は検察庁を希望している。

「さあ!エリート候補がお通りよ」
「そこを開けなさーい」

「俺たちゃ将来長官だ!事件は会議で起きている」
「ファイトー押忍 ファイト押忍 ファイト押忍」
「キャリアは稽古で積んでいる!浪人達には負けないぞ!」
「ファイトー押忍 ファイト押忍 ファイト押忍」

柔道部員が三四郎池の脇道を駆け抜けて行った。

「柔道部だって!」

「みんなヒョロヒョロじゃねーか!」

 そんなこんなの伸弥と吾郎。三浪と四浪コンビはサークルには入らずにひょんなことから自分達で柔道を始めた。柔道を覚えるのは通信教育。道場探しから、畳を武道館に侵入して盗むなど、ドタバタを繰り返し、黒帯を目指し物語は進んでゆく。昇段試験は3勝しなければならないという大きな壁。『ロリータ』『パワハラ』『セクハラ』『真の愛』。赤門大学柔道ストーリー

『赤門三四浪』

『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』演劇部。孤高の不採用作品。






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