蕎麦について一家言持っている人は多いと思う。
私は別に詳しくもないし、蕎麦と饂飩があったら
迷う事無く饂飩を食べてしまう人間なのだが
美味しい蕎麦には目がない(皆、そうかも・・・)
蕎麦は、ザル一択。(あればサイドで天麩羅をつける)
温かい蕎麦は、年越し蕎麦以外食べない。
通だから?いや、のびるのが嫌なだけ。
蕎麦の場合はすぐにプチプチ切れちゃうでしょう?
それと、温かいと蕎麦の香りが強すぎるのが嫌。
(もう、これで蕎麦好きとは言えない事が判明)
何故か、息子が小さい頃から蕎麦が大好きで
外食と言えば蕎麦屋という時期があった。
まぁ、その前からも、両親とは蕎麦屋が多かったし
同居していた姑とも2回に1度は蕎麦屋だった。
そんな訳で、親や子どもとの場合は蕎麦屋確率が高く
それなりに色々な店に入ってきたと思う。
夫は、ガッツリ系や外国料理が好きなので
夫婦2人の時には、蕎麦の選択はあまりなかったが
夫もアラ還になり、最近、蕎麦屋も選択肢に入ってきた。
私の蕎麦通いの中での一番は、30年程前に食べた野沢のザル。
そこはザルのみで、ご高齢の男性が打っていた。
野沢滞在中、毎日そこで食べた。
それを超す蕎麦は今のところない。
今日、夫と比較的地元に近い初めての蕎麦屋へ。
評価が最高と最低がついている不思議な店。
でも、そのわけはすぐに分かった。
飲食店、特に家族経営の店ではたまに遭遇するのだが
店主(シェフ)が従業員(家族)を怒鳴っている店。
怒鳴るまでいかなくても、大声で叱責していたり・・・
厨房内で、客側に声が聞こえなければ、それは内々の話なので
お店側がそれで良ければ構わないが
そういう声が筒抜けなのは勘弁して欲しい。
救いは、お給仕してくれる方の1人がとても感じが良かった事。
後2人働いているのだが、1人は腰が曲がってお給仕大変そうな
ご高齢の方(多分、家族経営でおばあさまかと思われる)
もう1人は、もの凄く無愛想で、客の注文も鼻であしらい
しかも優先順位低そうな事をしてその後も中々注文を取りに来ない
自分がされたら席を立ってしまいそうな人。
幸い、私たちのメイン担当は感じの良い方だったのだが
端で見ていても気分が良くなかった。
そして、かなり待つ。
その間、何やら叱責めいた男性の大声が厨房から聞こえてくる。
・・・
蕎麦を使ったスイーツや、和スイーツも充実していたので
甘い物大好きな夫と追加で頼もうかと思っていたが
凄く時間がかかりそうだし、何と言っても、この雰囲気の悪さに
耐えられそうもない。
そして、歩くのが大変な方を呼びつけるのも、
無愛想な店員さんに追加を頼むのも憚られる。
店の内装等は良かった。あの声さえなければ落ち着いた雰囲気なのに。
かなり待って、蕎麦が来た。
おおっ、薬味の白ネギが極限まで薄くて美しい。
早速蕎麦をすする
・・・
旨い、旨すぎる!(十万石饅頭ではない)
え、これって、野沢のザルには及ばないが
人生で2番目に美味しいザルかもしれない。
そして、天ぷら。
ここ・・・お蕎麦屋さんですよね?
まるで高級天麩羅屋のような姿の天麩羅達。
細工も美しい・・・
新生姜の天麩羅なんてお蕎麦屋さんで食べたことないし
紫蘇の天麩羅は良くあれど、魚が中に入って巻いてあるのって
蕎麦屋の天麩羅である?
流石に、これだけの仕事を1人でしていたら
少し冷めてしまうのは仕方がないとしても
いや、多少冷えても美味しいよ。
天麩羅も美味しいお蕎麦屋さんは確かにある。
私の中では神保町の「M翁」が一番なのだが
仕事だけなら匹敵するのでは?
ただ、「M翁」はできたてを供してくれるので
その美味しさは格別ではあるけれど。
夫とあまりの衝撃で顔を見合わせる。
食べ終わった後、下げに来た方が
感じの良い方だったので、すぐさまデザートを頼む。
「お時間かかってしまいますが・・・」と
申し訳なさそうに言ってきたが
いやいや、もう、待ちますって。
これは、スイーツだって期待できるでしょう!
私は、蕎麦のアイス、夫は、冷やしわらびしるこ。
蕎麦のアイスは初めて食べたが、アイスというよりジェラート。
蕎麦の実が最後、珈琲のような香ばしい後味で美味しい。
夫のも凄く美味しかったそうだ。
そして、最後に、お手洗いに立ったのだが
これがまた・・・1つしかないトイレだが
もの凄く広くて美しい。
この大きさなら、最低男女1つずつ作っても
余裕がある広さだが、このスペースを1つだけ。
なんて贅沢、そしてこの綺麗さをキープするには
お店の人が何回も掃除しないといけないだろう。
(特に男女兼用はね・・・)
くぅ、ここにきて、畳みかける超挽回攻撃。
お会計をして出るときに
厨房から顔を出して、店主自ら大きな声で
「ありがとうございました」
・・・初めて愛想の良い声
とどめを刺された。
お客さんの為なんだね、全ては客の為に声が出ちゃうんだね?
と、あの叱責の声さえ良い方に解釈し始めてしまう自分がいた。
残念ながら?リピありでしょう。
今度は息子も連れてきてあげたいな。
尚、さんざん悪口?も書いたので
今回はイニシャルも画像もなし。
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