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映画のこと、本のこと、おもったこと。

東京都現代美術館

2004-11-27 03:16:49 | みる
10/27(水)『ピカソ展-躰[からだ]とエロス-パリ・国立ピカソ美術館所蔵 』に行く。

ピカソの絵を観てこんなに楽しかったのは初めて。
今までは「やっぱりどうもよくわからない。」と不可解さが先にたち、
絵を観て心に迫ってくることはなかった。

『庭の中の裸婦』に代表されるマリー・テレーズを描いた作品が好きだ。

人が生涯発達する中で「中年期の危機」というのはよく言われている。
わたし自身もその途中にあるので、40年ほどの自分の歴史がこの時期に急激に変化する、
それに性が深く関わることも実感しているけれど、それにしても「危機」というのはどうだろう。
少し偏狭でマイナスの言葉ではないか。
それはともかく、ピカソがマリー・テレーズに出会ったのは45歳、
妻ジャクリーヌとの関係が暗く重苦しくなっていく時期だという。

マリー・テレーズを描いた絵には”手放しののろけ”を感じるけれど、
それがとても良い。
ひとりの中年男性の性が強烈に独自の形でありながら普遍化されたことに共感し感動した。

そして一点ピカソ初期の作品、最初に暮らしを共にした恋人との抱擁を描いた絵は
とても美しかった。