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読みかけの本

2004-12-06 22:57:25 | よむ
一週間ほど前から『音楽の世界史』(井上和男著・音楽之友社)を読み始めて、
まだ55ページまでしか進んでいない。

何を学ぶにしても世界史の知識を基盤にする必要を感じていたのと、
普段、聞き流すだけで一向に深く聴き入る術を持たない音楽について
歴史的な流れを押えておきたかったため、この本からはその両方の糸口を得られると思った。
さらに、お薦めCDの紹介本は数多く出版されていて指南書としてわたしには便利なものだけど、
その作品解説文にはいささか辟易するものがある。
それはつまり、作曲者の恋愛なり生きる苦悩なりをその創作活動に結びつけた解説が
時に読者の関心を引く為に過剰に演出されているのを感じるからである。

「ひとりの作曲者の中には、一市民として生活する人間と、音楽を創造する人間とが併存している。両者は同一個人を形成しているにはちがいないが、むしろ対立関係に置かれている。なぜかならば、一市民として生活する人間としての作曲者は、実社会の具体的現実に対応する者であるのに対して、音楽を創造する人間としての作曲者は、人類文化の流れの中にみずからを置き、芸術の未来性を追求している者だからである。前者は、社会集団の一員としての存在であるのに対して、後者は社会集団を代弁する存在でなければならない。前者の領域では、たとえば恋愛も祖国愛も、現実の社会規制の中でしか成立しないのに対して、後者の領域では、これらすべてが客体化された仮構の中に位置づけられ、社会に能動的に働きかける普遍性を獲得する。前者から後者へ飛躍する過程が創造の衝動である。個人的エピソードはそのごく一部分を伝えるものにすぎない。」
(P13-14 引用)

芸術と生産性を基軸とする世界史の関係について言及し、そこから総体的な人類史を把握しようとする試みである述べられているこの本の序論は知的な興奮をかきたてるものだった。
しかしながら、いかんせんこの先を読み進むには世界史の知識が必要となる。
おかげで、『地図と地名で読む世界史』(宮崎正勝・日本実業出版社)
『NEWTON・アーキオ ビジュアル考古学 ギリシャ文明』(ニュートンプレス)
『ヴィジュアル百科 世界の文明~石器時代から産業革命まで』(ミック・アストン&ティム・テイラー*原書房)を手元に置きながら遅々として本命本の進みが悪い。






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1.ANTONIN DOVORAK チェロ協奏曲 ロ短調 104(ROBERT SCHUMANN チェロ協奏曲イ短調 129)
Mischa Maisky * Leonard Bernstein イスラエル・フィルハーモニー

2.ANTONIN DOVORAK チェロ協奏曲 ロ短調 104(HERBERT チェロ協奏曲第2番ホ短調 30)
YO-YO MA *KURT MASUR ニューヨークフィルハーモニック

3.JOHANNES BRAHMS 交響曲第2番 ニ長調73* 3番 ヘ長調90* 4番 ホ短調98
SERGIU CELIBIDACHE ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団